08/3/16 ビッグベアーズ戦

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■3月16日 神宮外苑大銀杏球場 vsビッグベアーズ戦

 長かった。
 2008年のWINSを待ち受けていたのは、長い長いトンネルだった。
 打てない、守れない、抑えられない、金がない……。
 恒例の「チキンズ杯」初戦敗退はともかく、5位決定戦ではスコアこそ3−5だったものの、内容的には完敗。加えて、あわよくば実質4位奪取? ともくろんで臨んだ「どグサレ球団」戦で、あわや完封という屈辱的大敗。
 どグサレ球団の結成当初から、たしか対戦試合8連勝を飾ったあの頃のWINSは、いったいどこに行ったのか。
 以前は応援に来ていた女子供たちもすっかり姿を見せなくなり、あろうことか監督もキャプテンも若き四番も姿を見せなくなった、今季第5戦。
 相手は、待望の(なぜ!?)「ビッグベアーズ」。
 事務局よ、何度も言うが「ビックベアーズ」じゃないだろう。ビックカメラはなぜかビックカメラだが、早稲田大漫画研究会OBが中心となった野球チームは、やはりオオクマ(=大隈)だと思われる。
 堀井監督が「冬は冬眠」と決めているビッグベアーズをむりやり起こしたWINS。さらに、昨年の二冠王=コサッキーが動いた。
 「明日、自分の友達を連れて行きます! 春日部共栄の野球部出身者です」
 春日部共栄といえば、夫人があのテレ東の大橋未歩アナという、ヤクルト城石の出身校! となると、何がどうなって、そのうちWINSの応援に大橋未歩がやって来るかもわからないということだ。
 でかした、コサッキー。
 いつものように前置きが長いが、やがて試合は始まった。
 監督代行のエースは試合の流れを予想し、足を故障中のゴローをあえて先発マスクで起用。初回を三者凡退で抑える好調な滑り出し。
 そして1回裏。先頭で左打席に入った不確かな野党が、いきなり初球を弾き返しレフトオーバー! 何かを心に決めたかのように走る野党。走る走る! しかし、二三塁間でそのペースは一気に鈍る。どうした野党。トイレに駆け込むのか? Qちゃんのようにゲリじゃなくて、たぶんゲロ?
 ベンチの全員が叫ぶ。
 「ストップ、ストップ!」
 ボールはもうショートに返って来ている。しかし、すっかり目の座った野党には、ベンチの声もボールも位置もわからないようだ。
 三塁を回っちゃったよ、おい!
 200%アウトのタイミングだったが、まさか走るまいと思っていた相手野手の反応が遅れ、セーフ!
 先頭打者ホームランの結果オーライ。
 これが春日部共栄高野球部だったら、グラウンド50周くらいのペナルティだろうが、WINSならオーライだ。相手投手の動揺も誘い、二三番の新・彩の国コンビがそろって四球で出塁。四番大久保が渋く一二塁を抜いて、きっちり加点。
 ついにWINSにも春到来か!?
 そう思ったのもつかのま、2回表にエースがあろうことか先頭打者を簡単に歩かせ、一挙に4点献上。あっさり逆転される。
 さらに3回にも加点され、素早く投入した新戦力、元春日部共栄の山崎選手(通称“春山崎”。カス山崎ではない)も制球を乱し追加点を奪われる。
 「やはりWINSはもうダメなのか……」
 誰もがそう思いかけた5回裏。
 先頭のコサッキーがエラーで出ると、盟友・春山崎選手が冷静に四球を選ぶ。打ちたい打ちたい四番大久保も、しかたなく四球を選び、無死満塁のチャンス。得点差は3点。
 前試合以来、打撃絶不調の五番エースが、2ストライクと追い込まれる。ここはなんとしても三振だけは避けたいところ。ヒットじゃなくても転がせば、なんとかなる。
 次の球は、内角にはずれるボール!? ……のはずが、ベースの直前でググッと曲がってきた! あわててバットを出すエース。バシッ!! 妙な音を立ててファール……と思ったら、判定は打撃妨害。
 青山“ザ・タワー”ゆかり選手ばりの時間差打法。せこい。
 しかし6対8となり、まだ無死満塁。ここで、バッターはゴロー。一番を打ってダメ、二番を打ってもダメ、もうすぐアパートも立ち退きという崖っぷち男。
 「とりあえず転がして1点は取ろうぜ」
 ナインのそんな思いを乗せたバットが、あろうことか火を吹いた!
 鋭いライナーがレフト頭上を超える。
 2点タイムリー。こんなこともあるのが野球である。しかし、レフトオーバーの当たりで、一塁ランナーは三塁に進んでいるのに、ゴローは一塁ベース上でヘラヘラ笑っている。
 なぜか。その謎は、次打者小笹への1球目でわかる。お決まりの盗塁。ようするにヤツは、セカンドまで進んでしまっては盗塁数を稼げないとみて一塁で止まったのである。そういう小さな計算ばかりしているから、○テないのではないだろうか(空欄に適当な語句を入れよ)。
 それでも、ついに同点に追いつき、まだ無死二三塁。小笹がここで、セカンド後方への浅いフライ。ビッグベアーズ中堅手の態勢が崩れているとみて、サードランナーのエースは迷わずタッチアップ。本塁直前に足がカックンとなりかけるが、かろうじてセーフ。
 「走ってくれるとは思いませんでしたよー」
 と、これが勝利打点となった小笹。
 何を言ってるんだ。それが全員野球。
 「オレの勝利打点は誰が消したんだー」
 と、某野党。それもWINS野球。
 最後は炎のストッパー・コッサキーが2三振を奪う3人締め。
 この勝利は、グラウンドには姿を見せなかったが、どこか近いところでWINSの勝利を祈ってひたすら何かを唱えてくれているはずの監督、さらには「やりたい、やりたい」と鼻血を出さんばかりに悶絶しながら仕事中のキャプテンおよび若き四番マツ、そのほか大勢の、この場にいなかったWINSメンバーに捧げよう。
 オレたちだって、勝てるんだ。
 2008年のWINSが、ようやく長いトンネルを抜けた。

ペン=本紙エース古矢

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