08/4/13 チキンズ戦

試合結果> <スライド> <その後>募金1250円

■4月13日 西戸山球場 vsチキンズ戦

 WINSのチキンズ杯リベンジマッチ戦。チキンズ杯で未対戦の上位チームに挑もうという、別名・変形お礼参りシリーズ。
 しかし、必勝を期して臨んだものの、チキンズ杯4位の「どグサレ球団」にあわや完封という大敗。前日に行われた3位の「ゲッツ」戦では、4回まで2−1とリードしながら、けっきょくは大敗。
 やはりWINSは史上最弱チームなのか。早大に0−28で負けた東大より弱いのか。
 いや、ダイチャンズもスリーセブンスターズもいるじゃないか。……その2チームには、絶対に挑戦しないようにしたい。
 そして、いよいよ優勝チーム「チキンズ」戦である。
 連戦となるため、ゲッツ戦はエースを温存。四番も温存。ついでに、意味もなく監督もキャプテンも温存という、温めまくりのWINS。コンビニで「温めますか?」と聞かれると、ついドキッとしてしまうという今日この頃だ。
 雨模様の本日。天気とは関係なく、いつものように家を出るのがギリギリのWINSナイン。試合1時間前集合が基本という、草野球人のカガミのようなチキンズとは異なり、試合開始直前になっても9人集まらず、相手をやきもきさせる。
 「WINSはさー、勝つ気あるのかよー」
 チキンズのヒゲセレブ(匿名希望)が叫ぶ。
 ふふふふ。向こうはチキンズ杯優勝チーム、こちらは6位。WINSには失うものは何もないが、あちらは失う名誉も金もありすぎる。心理的には、こちらが圧倒的に優位に立っての試合開始である。
 ……と思ったら審判がいない。
 「すみません。連絡ミスで、今日は審判が来ません。攻撃側がジャッジするってことでお願いします」
 チキンズの小指立て系サード、ケンちゃん(実名)が謝りにくる。
 ふふふふ。ぬかったな、チキンズ。あれほどまでに草野球の運営その他に緻密なチームが、そんな単純ミス。6位チーム(しかもWINS)相手ということからくる油断。
 チキンズ、試合前に敗れたり!
 ……と言いたいところだが、試合では巨人軍なみのWINS貧打線が、あいかわらず沈黙。いや、三番・大久保の猛打賞などランナーは随所に出るのだが、もう一本が出ないのである。
 たとえば1回裏、ヒットのコサッキーと大久保、四球を選んだ四番・マツを塁上に置いた一死満塁の絶好機に、五番・シマブクローがファーストファウルフライ。六番・エースも、相手エース得意の外角球をうまくとらえるも、一塁ライナー。
 一方、そこそこランナーを出しながら、得意のノラリクラリ投法で粘っていたエースだが、3回表に味方のエラーもあって、2失点。このあたりが、優勝チームと6位チームとの差だろう。「エラーはあるもの」と考えるゆるいWINSと、守備にもいい緊張がただよっているチキンズ。
 まあ、いい。
 この日のWINSはそれでも、助っ人・湯一路くんの活躍もあって、守備もかなりよかった。
 そして、5回からは二番手・シマブクローがマウンドに。その5回こそ、やはりエラーがらみで1点を失ったが、なんと3回8奪三振。9回に換算すると24奪三振という、クレメンス、ランディ・ジョンソンらの20奪三振を軽く上回る世界新ペース。とくに、鋭く落ちるカーブが効果的だった。
 そして、0対3で迎えた7回裏、WINS最後の攻撃。
 「(好投のエース&シマブクローを)見殺しにするのかー! 逆転するぞー!」
 三塁コーチスボックスからエースが叫ぶ。
 しかし……「しかし」と言っていいのか(笑)、打順は下位。本日、三振と死球のクルクル丸から、野球初体験で2三振のミノワマン(芝のラーメン職人)へと続く。相手投手は6回から代わり、その6回を軽く三者凡退で切って取った力のある左腕。
 点差を考えると、苦しいもいいところである。
 だが、まさに野球は何が起こるかわからない。
 MASAの二本の足をそろえて軸にするクルクル打法が、何試合ぶりかに火を吹く。あわや長打かという右中間への会心のヒット。さすが、WINSの“意外性の男”。
 すかさず二盗。点差を考えればあり得ない気もするが、セカンドベースの上でボンヨヨヨ〜ンとバウンドするという得意技で、タッチが尻の下を通り過ぎる。セーフ。バウンドしなければ、もともとセーフだが。
 これで、相手左腕はやや動揺したか。
 ミノワマンは三振に倒れるが、上位に打順が回り、コサッキーがサードゴロ。やっちまったか……と思った瞬間、送球が打者走者と重なりファーストが捕球できず、オールセーフ。
 一死一三塁。下位打者に打たれ、打ち取ったはずの一番打者をエラーで生かす。3点リードとはいえ、ピッチャーは平常心ではいられないだろう。それまでよかったコントロールが乱れだし、湯一路くんフォアボールで、一死満塁。
 ここで迎えるバッターは、本日3の3の大久保軍団長。しかも、前打席の二塁打は、あわや柵越えという大当たり。それも、木製バット。もしもビヨンドバットを使っていたら……。
 「満塁ホームランで、逆転サヨナラだー!」
 WINSベンチは、もういけいけムード。
 しかし、ストライクが入らない。どうした、チキンズの抑え。
 打てる球が来ずに、押し出しフォアボールの打点1。
 これで2点差。
 時間はすでに3時10分前を回っている。通常ならグラウンドを明け渡す時間だ。
 打順は四番。本日は、よく見てよく見てよく見て、3四球のマツ。
 マウンドに集まるチキンズナイン。こ、これは、最下位のロッテ有藤監督が、西武と優勝争いをする近鉄との最終戦でやった、あの……。
 なんとか試合再開も、時間がないのを焦ったのか、マツはピッチャーゴロ。
 ホームゲッツーで万事休すか!?
 ここで、ゴロを捕った相手投手が、キャッチャーへとんでもない高投!
 ついに1点差。
 そして、本日8奪三振の好投も、打つほうでもひとりで8残塁させるという、糞づまり打線の張本人のシマブクロー。春の甲子園では沖縄尚学が優勝したし(26歳の比嘉監督、巨人に来てくれないか)、行け、シマンチュ!
 が、またまた押し出しで、同点。
 これが、野球なのだろう。たぶん誰もが思っていなかった、7回裏一挙3点。
 その後、エースがセカンドゴロのところで、球場管理人が遠く金網の向こうから、大きくバツマーク。時間切れだ。次打者は不確かな野党で、ふだんならバットを折らんばかりに抗議するところが、あっさり引き下がる。
 「だって、自信ないも〜ん!」
 そういえばこの日、若く足の速いチキンズが相手で、サードゴロがことごとくヒットになってしまった(たぶん、チキンズのヒットの半分くらいがそれ)。
 「俺は、今日から右翼!」
 試合後、堂々の右翼宣言をした、旧・不確かな野党(不確かな右翼、とも)。
 さて、どうなることやら。
 とにかく、優勝チーム相手に、この展開から追いついたのは大きい。
 3三振のミノワマンも「このままでは終われません!」と、力強く参戦宣言。
 あとは、監督・キャプテン・茨城遠征中のお父さんの復帰を待つだけか。
 夕暮れの大久保駅前に「WINS、優勝チーム相手に激戦ドロー! 不確かな野党、右翼宣言か!?」の号外がバラまかれた。

ペン/本紙エース

08ヨンスポバックナンバー