08/10/11 大吉コモドアーズ戦

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■10月11日(土)大吉コモドアーズ戦

 ずいぶん昔の話のような気がする、大吉コモドアーズ戦。
 小さな大打者クルクル丸が前の試合(チキンズ戦)の執筆に力を込めすぎているのか、なかなか書き上がらないので、年の瀬だし待ちきれずに先に書いている次第である。
 この試合のポイントは2つ。
 まずは、対戦成績1勝1敗ながら、ここ1年ほどで急激に力をつけ、タンパベイのような勢いを持つコモドアーズが、本当に強くなったのかということである。
 事務局Gは何度か相手チームに助っ人参加しているせいか「コモドアーズは強いからヤバイですよー!」と、マッチメークを避けている模様。
 しかしわがWINSも、2008年チキンズ杯優勝チーム(チキンズ)を延長サヨナラで破り、最高のムードで臨むこの試合である。
 もう1つのポイントは、WINS史上初の出来事。
 あのGが、毎年クリスマスになると、隣人たちに出かけていると思わせるために自宅の電気を全て消して過ごすという、あのGが、初めて「友達」(自称)を連れて来たという驚愕の事件である。
 WINSの20年近くにも達する歴史の中で、ナインはそれぞれ何かの機会に、友達を助っ人として連れてきたし、妻や子や恋人や、中にはお父さん(首領=ドン)やお兄さん、義理のお姉さん、クライアントのおじさん(O上さんとか)、あるいはミヤタギャルを野球場に連れて来た。もう会えなくなってしまった人もいるが……。
 しかしただひとり、誰ひとり、家族も親戚も友達も恋人も、飼い犬さえも連れて来たことがない男、それがGだった。
 実際には妹もいるらしいし、しかも名前はどうやら“恭子”らしいのだが……。
 そんな男がついに、2008年のクリスマスを前に、友達を連れて来た。
 何かの先生をやっているというS水くん? 友達なのに、何を教えているのかは知らないというのが怪しいが、深く詮索するのはやめておこう。なにしろ、その友達は教え子を助っ人として連れて来てもくれたのである。
 ゴローに友達がいた!
 それだけでWINSナインはお祭りムード。
 ゴローに友達が!
 ゴローちゃんに友達が!
 ゴローさんに友達が!
 口々に叫ぶ選手たち。
 気がつけばコモドアーズナインも喜んでいる。ついでに「すみません、すみません。キャッチャーミットとグローブをひとつ貸してください、すみません、すみません」と言ってきた。
 ふつうなら「素手でやれ!」と言うところだが、こんなめでたい日に、そんな野暮は言いたくない。「どうぞ、どうぞ」と差し出すWINS。
 そしてようやく試合が始まった。
 1回表に守備の乱れもあって1点先取されるが、その裏WINSは一挙5点。
 相手チームはエースが不在らしく、今日はWINSに助っ人に来てホームランを打ってくれたこともあるJくんが先発。しかし、試合前の突然の雨で手がかじかんだのか、まるでストライクが入らずボロボロ状態だった。
 バックネット裏で見下ろす、近辺の野外在住ギャラリーたちも、凍えそうな風情。
 しかし、そこは観客の視線を忘れないWINSである。
 2回の守り。相手ランナーの二盗に素早く反応したキャッチャーG。友達がいたG。セカンドへ送球! と思った瞬間、ピッチャーのコサッキーがその送球をカット! 三塁にランナーがいたわけでもないのに!!
 ホワ〜イ、なぜに!?
 病み上がりで久々の出場、本日は右翼を守る不確かな野党が叫ぶ。
 ああ、ここで思い出したが、もう1つポイントがあった。この試合は、急病で緊急入院していた不確かな野党の、めでたい復帰戦でもあった。
 しかし、その意味不明のプレイに、ギャラリーは大喜び。球場の雰囲気は、一気にあたたまった。
 そして、その後はサードを守るマツが、次々に場をあたためる。なにしろ今日は送球が捕手側にそれまくり。相手ピッチャーの制球難から一方的になるかと思われた試合を、一気に接戦に持ち込んだのである。
 それでこそWINS……って、いいのかそれで!?
 ちなみに、Gの友達が連れて来てくれた新人のO栗旬くんは、見事に3打点。しかも、二塁を守っていた彼は、4回が終わった時点で「O栗くんは下がって」とエースに言われ、次の守りでセカンドに入った村ケンの後ろで守るという、ホットなプレイを見せてくれた。
 ……その「下がって」じゃないんだけど(笑)。
 そして同点で迎えた最終回。
 大久保軍団長が二塁打で出塁という、サヨナラのチャンス。
 そこで島ブクローの一塁ゴロを、相手が横浜大道芸人祭りばりの大ジャグリング。
 1アウト一三塁と好機は広がる。
 しかも三番、四番と続く打順。
 誰もがサヨナラを確信したにもかかわらず、三番コサッキーがまたも一塁ゴロ。今度は相手もしっかりさばき、サードランナーも動けず2アウト。
 そして四番マツ。ここで決めれば今日の送球難は笑い話になるはずのマツ。
 しかし……。
 ここでもまたファーストゴロって、どうなってるんだよ、WINS!!
 けっきょく完投のJくんは、まるで勝利したかのように両手を挙げてガッツポーズ。
 これで対コモドアーズ戦は、1勝1敗1分け。決着は、来年のチキンズ杯に持ち越された。
 そしてその夜、朝まで立ち飲み屋につきあい、タコ焼きを奥さんへのお土産に買って帰った不確かな野党。さすがに酒はほとんど飲んでいなかったが、その後また、まったく野球場に現れなくなってしまった。
 監督もいない、キャプテンもいない、さらには不確かな野党もいない? そういえば、エイトニャンの姿も最近見ないのでは? そんなこと言うなら、お父さん(元)も?
 どうなるWINS!? ……いや、WINSアダルト!?

ペン=本紙エース


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