10/3/20 大吉コモドアーズ戦

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■3月20日(土)大吉コモドアーズ戦

 桜のつぼみがほころび始めた3月20日(土)。
 プロ野球はパ・リーグが開幕。セ・リーグのオープン戦では、ハマの番長が巨人相手に8被本塁打を記録した、そんな日である。
 野球は怖いですね〜。
 アホな実況アナや解説者なら、そんな定番台詞を吐くところだろう。
 「お化けは怖いですね〜」なら、かわいい。
 しかし、女は怖いですね〜とか人生は怖いですね〜とか饅頭は怖いですね〜とか「○○は怖いですね〜」の○○には、なんだって当てはまってしまうじゃないか。
 ちなみにその2日後には、“山陰の梶原一騎”こと島根・開星高校の野々村監督が「21世紀枠に負けて末代までの恥。腹を切りたい」とナイスなコメントを残すことになる。
 これは、いい。
 21世紀枠のレベルは、いつだったかの沖縄・宜野座高校のベスト4進出でもわかるように、“山陰の梶原一騎”の想像を超えているのかもしれない。そこのところを監督がよくわかっていなかったというのはある。
 しかし、各地区の大会で優勝かそれに準じる成績をあげてきた高校が出場する春の甲子園に21世紀枠という、なんというか、テレビのバラエティー番組の「おかま枠」とか「デブ枠」「ギャラが安い枠」、あるいはピーター・アーツのように「昔の名前で一応マッチメイクに派手さを出す枠」のような、書いていてよくわからないが、別のレベルの出場基準を設けるのは、いかがなものか。
 いや21世紀枠、見るほうからすれば、さまざまな人情の機微が味わえて面白いのだが、対戦が組まれた相手はそりゃ困るだろう。勝って当然(しかも判官贔屓の客が多いし)、負ければ「21世紀枠に負けたチーム」との烙印が押される。
 そんなことは、高野連や朝日や毎日がどんなにきれいごとを言っても、厳然たる事実なのである。  で、“山陰の梶原一騎”。
 負けたあとのあの発言は、試合前に「負けたら腹を切る」と言って負けて腹を切らなかった亀田弟や、やはり試合前に「ドイツは負けられない相手」と失礼な発言をして負けたカーリングの近江谷などの発言とは異なり、実に潔い。
 なぜなら、実際に試合して負けたあとの発言であれば、どう考えたって全ての罵詈雑言は監督自身に向かうからである。
 当然そうなり、監督は潔く謝罪し(「島根の県民に申し訳なかった」という言葉もよかった)、しなくてもいい辞任をしてしまった。
 腹を切ったわけである。
 そんなこんなで、大吉コモドアーズとの試合が始まった。
 相変わらず、前置きが長い。長すぎる。原稿も周回遅れになってしまっているのに。
 この日、監督が新人招聘という、初めての大ワザ予告をしていた。
 しかし開始時間が迫っても、その新人らしき選手は現れない。監督はもちろん現れない(なんだか当日だか前日になるまでわからないような仕事に就いたらしい)。
 メンバーは、助っ人のカトーさんを入れて、8人。そこで、ウインズは慣れない先攻となる。
 そんな中、先頭打者ゴローがいきなり痛烈な右前打!!
 さすが今季4連勝というロケットスタートを見せたウインズ。
 だったのだが……。
 何度か対戦し、よーくわかっているはずの相手左腕のうまい牽制にコロッとひっかかった駄走ラ〜(ダバシラ〜)ゴローは、たちまちアウト。
 ダハハハハハハハ〜。
 いつものように馬鹿笑いをしながらベンチに帰って来るゴロー。“山陰の梶原一騎”(通称・ノノムさん)だったら、なんと声をかけるのだろう。たぶん切腹、さらし首だと思う。
 それでも、一塁に入ってもらったコモドアーズ宙太選手の守備にも助けられ、2回を終わって0対1という、まずまずの出だし。
 そこでようやく新人登場。
 どうやら夜勤明けという過酷なスケジュールの中での参戦だったようだ。
 聞くと、名字は矢吹、名前は仁。「ひとし」と読むらしいが、ここはひとつ「J・矢吹」といこうじゃないか。
 宙太選手に替わって一塁に入るJ・矢吹。
 なんて梶原一騎(=高森朝雄)な日なんだ。
 ついでに言えば、エースの本名は星飛雄馬の声優と同じだし。
 そして実はこの日、石神井公園在住の某女子(別名“石神井公園の白木葉子”)にも声をかけていたのだが、来てくれなくてよかったと思うのはこのあとすぐのことだった。
 それは、エースの高校時代の同級生オサムのボテボテのショート内野安打から始まった……。
 なんだかデジャブのような展開。そう、前回だか前々回の負けも、オサムへの四球から始まったのだった。
 うーむ。
 相手強打者ジュンジュンの満塁柵越えアーチなどもあり、一挙10失点。
 この回の攻防が全てだった。
 5回から登板したシマブクロー投手は2回を無失点に抑え、相手選手オサムは「もっと早く代えておけばよかったのになー」と言ったが、まあそうだったのかもしれない。
 エースの反省としては、この日15失点で死四球はたったの1つ。これはここ数試合の傾向のような気もするが、コントロールを重視するあまり球が真ん中に集まっているのかもしれない。
 この前、ロッテの成瀬が高低を幅広く使っていいピッチングをしていた。見習おう。
 守備に関しては、1プレイのあとの処理だ。エラー自体は、仕方ない。これはもう、どんな精密機械も航空機にも事故が起こるように、起きるものである。
 しかし、たとえばそのあとどこに送球するか、あるいは送球しないか。
 この日の試合で言えば、内野安打(エラー?)で一塁ランナーのオサムが三塁まで進んだシーン。事前に状況をきちんと把握していれば……。
 攻撃面では、けっきょく散発3安打7三振。
 たしかに相手投手はいいピッチャーだが、やはり1回表の駄走りがこの試合の流れを決めてしまったのかもしれない。
 「コモドアーズはガチで強いよ〜」と某・不確かな野党がつぶやいたが、最初の対戦では、パパ山崎の気迫のタッチアップ&ヘッドスライディングで1点差勝ちをしたじゃないか。
 気合を入れて再戦といこう。
 そして、久々に相手チームとの合同打ち上げin三宝寺池の茶屋。
 「なんか、子どもの頃に飲んだビールの味がしますねー!!」
 シマブクローがうれしそうに言う。
 0対15という大敗の苦みのせいか、この日のビールは本当にうまかった。
 J・矢吹は「僕は本当はピッチャーなんです」と宣言。
 監督は不確かな野党の携帯に何度も電話。
 替わってくれというので電話にエースが出ると「俺さあ、今日○○がないんだけど(空欄に適当な語句を入れよ)、行っていいかなあ。9時半くらいになると思うけど」とのこと。
 まだ午後の陽光に包まれた、幸せな幸せな三宝寺池の茶屋。
 今日も長い長い一日になりそうだ。

ペン=本紙エース


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