11/5/8 やすだスワローズ戦

試合結果> <アルバム> <その後> 募金350円

■5月8日(日)やすだスワローズ戦

 4月に初勝利。まあ、ふつうの野球人で言えば、さして珍しい話ではない。
 しかし、ここ10年ほど、春夏秋冬かかわりなく、オフにフロリダとか南仏でのんびりすることもなく試合を続けてきたわがWINSにとっては、由々しき事態だった。
 そして、ようやく1勝を挙げたと思ったら、次の試合でいきなり初対戦の東京アイボリーに0−19という大敗。
 東京アイボリー。
 その名前から勝手に、体育会系というより文化系、その中でもファッションに気を使うお洒落チームを予想したのだが、わがWINSのエースの超遅球もさわやかサラダ投手の適度な速球も、けっして無謀に振り回すことなく野手のいないエリアに鋭い当たりを飛ばすという、今まで対戦したことのない巧打のチームだった。
 まあ、試合前の打撃練習(オレたちはそんなものはしないが)でもその片鱗は見え、コサッキーも「あれれれ、なんかチーム力1・5とかじゃなさそうですよ」と言ってはいたし、ベンチにずらっと並べられたヘルメットにも不穏な空気は感じられたのだが。
 そして今回、やはり初対戦のやすだスワローズ戦。
 事務局Gがインターネットの情報を吟味し渾身のチョイスをしたであろう、対戦相手である。
 しかし、名前から感じられるイメージは、東京アイボリーとはかなり異なる。
 WINSエースの野球人としての長年の勘が働く。
 「やすだ」というのは安田学園とか安田講堂とか、なんかそんなものと関係があるのでは。安田学園なら阿部慎之助の出身校だし、安田講堂なら、わがWINS全員の偏差値を足しても、かなわないだろう。
 ん? 今調べたら、安田学園出身者に元ヤクルトスワローズの橋上選手の名前がある。これか?
 まあとにかく、「やすだ」という、頑固な職人さんがやっている老舗割烹料理店のような冠に、「スワローズ」というこれまたオーソドックスなプロ野球チーム名。
 この組み合わせから感じられるのは、けっしてお笑い系ではなく、シンプルに野球が好きな真剣勝負系チームだろうということだ。
 唯一の望みは、「やすだ」が『がんばれ!!タブチくん!』の、魔球好きのヤスダ投手から来ているものである、ということくらいだろうか。
 そんなこんなで、試合が始まった。
 本日の先発は、誰が選んでしまったのかWHOことミヤタだ。
 これまで何度となく制御不能状態に陥り、あげくの果てに試合後審判に「……彼が試合を壊したね」とまで言わせてしまった男。
 そのたびに土下座を繰り返し、ああそうか、ということはT電のS水社長より、焼肉Eびすのなんとか社長より早く、彼は土下座作戦をしていたのだ。そういう意味ではパイオニア?
 さて、今日はどうなるのか。
 1回表、先頭打者がサードゴロ。これをH2選手がなんなくさばき、あっと言う間に1アウト。
 ひょっとして今日はいけるのか!?
 いや、ダメだった。
 そこからいつものように制球が定まらなくなり、ただのボールならまだしも、ワンバウンド、相手打者の背中を通る投球、レフティーなのになぜか思わず右手で投げてしまうボール等々、はっきり言ってもう自分がどう投げているのか何をやっているのかどこにいるのかもわからない支離滅裂状態。
 不運なことに、本日初めて試合をする城北中央公園野球場B面は、少年鑑別所(通称・練鑑=ネリカン)が近くにあり、その逆に捕手の位置からバックネットまでが遠い。
 つまり、暴投はすぐに進塁、あるいは得点につながってしまうのである。
 1点、2点、3点、4点……。
 ときおりヒットを混ぜつつ容赦なく走りまくる相手チーム。
 数分前はあんなに元気だったのに、今やすっかり顔色がなくなってしまったミヤタ。
 それでもなんとか2つ目のアウトを取り、ここまで来たら彼の今後の人生のためにも、せめて1回は投げ終えさせたいと考える監督代行。
 ああ、しかし。
 けっきょく6点を取られ、さらにストレートの四球を出したところで、ピッチャー交代。ファーストから急遽ボート選手がマウンドに上がる。
 二死満塁。
 運の悪いことは続く。
 相手打者は、これまで打ちたくてもバットの届く場所にボールが来なくてジリジリしていたところに、ようやくストライク!! その喜びに満ちあふれたかのような痛打が左中間を深くやぶり、クッションボールだか中継を誤る間に、打者走者までがホームイン。
 いきなり1回表に10失点。
 ちなみに、事務局発表の公式記録にはミヤタ投手の失点が10、ボート選手の失点が3になっているが、正式にはどうなのだろう。ミヤタが9でボート選手が4?
 とにかく、こうなってしまうと、いやな過去は忘れてコツコツと点を取っていくだけだ。なんせ前回の東京アイボリー戦は、相手の攻撃もさることながら、こちらは1点も取れなかったのだから。
 しかし、今回その1点はわりと早くやってきた。
 2回裏。相手投手もいきなりの大差に力が抜けたのか、制球が今ひとつ。毎度の助っ人カトー選手が左中間にクリーンヒットも放ち、さらにMASA選手が死球をもらい、二死満塁。バッターは、監督も主将も不在のこの試合、ミヤタを先発に抜擢した戦犯のエースである。
 ここでワイルドピッチ。微妙な位置にボールが弾んだが、先発ミヤタが猛然とダッシュしてホームイン!!
 へーっ。
 まあ、前回の試合の反省もあるし、1点に執着する気持ちはわかる。
 しかし、結果としてはエースも死球をもらい、もしホームに突入してなくとも1点が入り、しかも味方に打点がついたはずだった。
 ……まあ、いい。
 守備面では、記録的なファインプレーも生まれた。
 あれは6回表だっただろうか。
 確か二死二塁で、相手打者がライトの横にヒット。当然、二塁ランナーはホームに帰って来る。1点は仕方ないだろう。
 それでも、マウンドを下り中継プレーに備える、本日三番手だったエース。
 ライト村ケンからの送球は、大きく放物線を描く、レーザービーム……ではなく、そう、レインボービーム!! まずはエースのだいぶ手前でワンバウンド。カットして打者走者がセカンドに到達するのを防ぐか!?
   ほんの一瞬、時間にしてコンマ1秒くらいだっただろうか。ほとんどカットに入ろうとしたその瞬間、エースの視野に三塁を回った走者の姿がかすかに入った。
 えっ、ひょっとして間に合う?
 差し出そうとしたグラブを引っ込め、さらにワンバウンドの送球をよけるようにスウェーバック。
 目の前をゆっくりと村ケンのレインボービームが飛んでいく。
 ツーバウンドでキャッチャーGO−LOWのミットへ。走り込んでくる走者。
 送球は走者とは反対方向だが、きちんと捕球してからタッチ。
 間一髪アウト!!
 まさか……補殺成功? 
 まるで逆転勝利を収めたかのように沸き立つナイン。ライト村ケンにとっても生涯忘れられない勲章となることだろう。
 最終スコアは6対14。
 初回の10失点がなければ、どうなっていたのだろう。
 まあ、それは神のみぞ知る。
 おそらく、大差に相手の攻撃意欲も多少減じていたと思われる。
 さる筋から「国民の皆さまに重要なお知らせがあります。四谷WINSに、今後ミヤタ登板を停止するよう要請しました」との発表があったとの噂もあるが、真相はどうなのか。
 蛇足かもしれないが、本日の審判も、ストライク&ボールの判定は、けっこう厳しかったなあ。まあ、ミヤタの投球とはあまり関係はないのだが。

(ペン=本紙エース)


11ヨンスポバックナンバー