グルメコーナー
二子新地 炭大焼肉「青とうがらし」

二子新地
改札を出て右
徒歩5分

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 時速130 キロを出すピッチャーや、はたち前のほぼ現役硬式野球人などが所属する という噂のフライングバード戦。
 「いつものように後攻をとると相手の攻撃が終わらないのでは」「ピッチャーライ ナーが顔面直撃して死ぬのでは」「ひょっとして意外にアダルト草野球力で勝っちゃっ たりして」など、試合前はいろいろな憶測が乱れとんだが、なんとか0−7という深浦高校よりはましなスコアで、死人も出ずに無事終了。
 WINSナインは、いつものように二子新地“川向こうグルメストリート”にくり だした。
 ここは以前も台湾料理『伯老亭』、中華『蓬莱』と本紙をにぎわしている、噂の食 通通り。掲載はされていないが、ノクティ(溝の口)を中心に川向こうでのしている 居酒屋『たまい』の支店もある。
 しかし今回、時間がちょっと悪かった。
 まだ午後5時前。『伯老亭』は休憩中、『たまい』は開店前、『蓬莱』は2階がいっ ぱいで「すみません、すみません、またよろしくお願いします」(by厨房の兄ちゃ ん)。んー、なかなか丁寧で好感が持てる。
 そんなわけで、グルメストリートの外れまで歩いてきてしまった。
 「あー、くんくん。なんかいい匂いがしませんか? 焼肉だなあこれは。肉、食い たいなあ、肉」
 キャプテンが、いいトシこいて「肉、食いたい」と。
 ちょっとお洒落な雑居ビルを見上げると、そこには焼肉『青とうがらし』。
 じつはこの店も開店前だったが(じゃあ、なんで焼肉の匂いがしてたんだ? 営業 のための作戦か)、無事ナイン入店オーケー。
 まず目に入ったのが、テーブルの上に置かれた小さな黒板に書かれた「ホルモン  380 円」の文字。
 「うひゃ〜、ホルモン380 円!! や、安い! これいこう、これ!」
 しかも壁には「青唐がらし」「おろしニンニク」「レモン汁」……あともうひとつ なんだっけ? 「コチジャン」? が無料というただし書き。
 「いい店だよ〜、ここ!!」
 メニューを見ると、だいたいが380 円から600 円くらい。ただし別枠で「上タン塩」 だの「上カルビ」があり、それらは1500円とか1800円と、少々お高かった。
 「うん、大丈夫。そこのエリアは頼まないようにしよう」
 「あ〜、こっちには安いハラミがありますよ!!」
 いい大人が口々に言う。
 まずはキムチ、ナムル関係が運ばれ、「んまい、んまい!」と語り合っているとこ ろに、ひとつ出来事があった。
 「すみません、タン塩なんですが……今、なくて……」by店員
 「ええっ!?」by一同
 「……上タン塩ならあるんですけど」by店員
 いきなり沈黙する一同。
 新監督(もう既成事実化?)もキャプテンもいるのに、なぜふたりともおし黙る!?
 ここはひとつ、最年長のエースが大人の気概を見せなくてはいけない。
 「あ、上タン塩ね(……1500円ね)、オーケー、それ、4つ持ってきて」
 これがたぶん、のちのちの悲劇につながったのだろう。
 ちなみにここの店、いい店ではあった。
 青唐がらしとおろしニンニクとカクテキのタレを混ぜ合わせて独自のタレをあみ出 す“自称サード”杉丸、花瓶みたいなマッコリの瓶を抱えてうれしそうな新監督(も う既成事実化?)、「マッコリでモッコリ」と聞いているほうが恥ずかしくなる定番 オヤジギャグをかます“お父さん”山崎、自打球を当てた股間を心配しつつも大盛り ライスに挑戦していた“スターウォーズ軍団総帥”大久保、なぜか「カクテキはビフ テキじゃないんだよ!」と誰かに説明していた“元・若き四番”マツ……。
 いつものようにレフトGが大盛りライスを食ったあと、さらに自分用に「冷麺ひと つ!」と注文したときには一同やや気色ばんだが。
 あと、宮田はこの宴会に参加していたのだろうか。
 そして、悲劇は起こった。
 会計が4万なんぼ。
 ひとり約5000円。
 まあ、焼肉屋だし妥当なところだが、ちょっと予算オーバー?
 ほとんどの選手が1軒目で家路につき、残ったのはレフトGとエースと、もうひと りの大人。
 「まだ早いじゃん。もう1軒行こうよ」
 「いや、でもオレ、2000円しか持ってないんですよ」
 「いいよいいよ、2000円だけ払えば」
 「……でも、この2000円使っちゃうと、帰りにタクシー乗れなくなるんだよなあ」
 かくして、そのもうひとりの大人は、2軒目の勘定をエースと、こともあろうにG におごってもらうという、ていたらく。
 あのとき、大人としての見栄も外聞も捨てて「上タン塩はやめましょう」と言って おけば……。
 あと、もうひとつ。
 川向こうグルメストリートにあったスポーツバー。
 2軒目として入店しようとのぞいたところ、教室の席のように並んだバーカウンター (どんなのだ?)に女子が鈴なり!!
 それも、なんつーか、カーリングの日本女子チームのような(あの人たち、絶対ス ポーツ選手の表情じゃないよなあ。なんなんだ、あのうつろ気味な視線と口の開き方 は? 宗教関係に似てる)、妙齢な女子たち。
 ひょっとしてチーム青森の関係者か。
 次回の2軒目候補筆頭に躍り出た。

(本紙・エース古矢)06/2/18 おまけ<2軒目のお会計>

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