06/12/10 IKA-KUSA9戦

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■12月10日IKA-KUSA9戦

 最近、ヨンスポの記事がないとお嘆きのみなさん。
 久々のヨンスポです。
 事務局からは「書け」との指令は出ていないが、この試合は、スコアからはなかなか見えにくい展開。ここはペンで(ワープロ「富士通OASYS LX−3500CT」で)記しておかねばなるまい。
 なにしろ、相手は「IKA−KUSA9」。
 イカくさナインと読むらしい。
 前回の相手が「男のコント」、略して男コン。
 男コンの次が、イカくさである。
 次は何になるのか、非常に心配だ。
 そういえば、チューナマという相手もいた。中ナマ。外ナマというのはあるのか。
 まあ、いい。
 一応、相手チームの名誉のために言っておくと、「イカくさナイン」とは「イカス草野球ナイン」の略だそうだ。そしてこのナイン、ブッキング担当のGによると、「未経験者も何名かいる」チームということだった。
 この「未経験者も何名かいる」を、どの側面からとらえるか。
 ふつう、どうなんだろう。
 Gは「未経験者も何名かいる」を、単純にいえば「強くない」ととらえたようだ。曰く「エースのために、いい相手を用意してきましたよ〜」。
 どういうことかというと、この試合は今季の対外最終試合。
 ここまでの投手成績が、ゴローの8勝5敗、エースの7勝6敗。
「ここでエースのために強くない相手を用意して、8勝で並ぶことができるようにしときましたよ〜」ということらしい。
 ありがたいことである。
 そして、試合当日。グラウンドは、ゆかりくん始め、港区関係者のキャプテン&小笹選手の取り計らいで借りることができた、都心の一等地にあるA山球場。
 練習しているイカくさナインを見ると、縦縞のユニフォームの着こなしも堂に入り、体格のいい選手もちらほらという、立派な野球人ぶりである。
 Gが言う。
「あっれ〜、おかしいな〜。レベル2って話なのに〜」
 なぜか顔は笑っている。
 土下座のミヤタもうれしそうに報告する。
「さっき見たんですけど、胸にスガオって書いた人もいましたよ〜」
 スガオって、ひょっとして菅生? つまり東海大菅生? 西東京大会でいつも甲子園出場を早実とかと争ってる? ちなみにエースの地元、あきる野市?
 ……って、おい!
 つまり「未経験者も何名かいる」は「経験者がほとんど」の裏返しの表現だったのである。
 たとえば、性交渉の場合であれば、どんな内容でも一度でも経験すれば「経験者」ということになるだろう(ちなみにGは素人童貞との噂)。
 野球の場合はどうだろうか。ちなみにエースは野球部に所属したことはないが草野球は子供の頃から好きだった。しかし、これをもって「経験者」とは言わないのがふつうだ。
 野球で言う「経験者」とはつまり、硬式野球部出身、あるいはそれに準ずる経験者、ということだろう。
 四谷WINSに当てはめれば、おそらく「経験者はほんの数名」となるのでは。「未経験者は何名もいる」とか。
 というわけで、試合だ。
 いや、もう、オレ……ってつい一人称になっちゃうけど、オレの草野球投球術のすべてを投入したね。で、そのオレの投球術に、じつは強豪のイカくさナインがまんまとハマり、凡打の山。
「もっとタメてタメて〜!(笑)」
「もう、目の前にボールが来てから振ればいいんですよ〜!(笑)」
 これ、相手チームの自軍打者に対する野次。
 すべてなんだか明るい笑い声含み。
 まあ、いい。
 自分でも、相手打者がまったくタイミングが合っていないのがわかる。まるで、渡辺俊介の投球をマウンドから見ているような錯覚。オレの投げたボールが、なかなかホームベースまで到達しないのである。バッターはそれを辛抱たまらず振ってしまい、空振り。あるいはボテボテの内野ゴロ。鋭い当たりもファウルか野手正面。
 いや、楽しかった。
 しかし、攻撃のほうがいただけない。せっかく相手投手が不安定な立ち上がりで3連続四球を与えてくれたノーアウト満塁に、四番抜擢のコサッキーが見逃し三振。
 えーっ!?(み・の・が・し〜!?)
 続いてキャプテンが逃避。……じゃなくて、投飛。
 微動だにできないランナーたち。
 でもって、仕上げは六番「確かな野党」のファーストゴロだ。
 初回、ノーアウト満塁で無得点。
 あ〜あ(じつは試合後、Gとこの選手たちが、ロッカールームで謎の金銭授受。あれはなんだったんだろう)。
 次の回の先頭打者、七番カズシゲとそれに続くエースが連続で鋭いライナーのヒットを飛ばしたのが、なんとも皮肉である。
 まあしかし、その2回に首位打者・大久保のタイムリーで1点先行。
 だが、やっぱりあとが続かない。
 そして3回。
 悲劇は起こった。
 確か2アウトから。左打者の外角ボール気味からだらだらっと曲がるカーブを際どくボールと判定されると(これがストライクなら3アウトだったと思う)、そこから流れが向こうに傾く。
 確かヒットは1本。だが、ボテボテの内野ゴロがセーフになるなどして一三塁のピンチ。そして、ここでもまた、ボテボテのサードゴロ! ファーストは間に合わないと見た確かな野党は、判断よくホーム送球。送球はストライク、タイミングは完璧アウトだ。
 しかし……。
 タッチに行くミットの移動が捕球よりコンマ1秒速かった。
 ただ、それだけのことである。
 そんなことが頻繁にあるのが人生だ。
 そしてこのちょっとした人生の行き違いを取り戻そうと、オーバーランした打者走者を刺すために、拾ったボールを鋭く一塁に送球するキャプテン。
 右手をテークバックした瞬間、「投げなくていい!」とエースが叫ぶ。叫んだ声が虚しくA山球場にこだまする。
 送球は一塁手の頭上をはるかに越えるレーザービーム。
 たぶん、エースの大声に動揺したのだろう。
 大きな声で怒ったりする男は、女に嫌われる。気をつけなければ。
 けっきょくこの回、3点献上。
 逆転されてしまった。
 そして2−3で迎えた4回裏。
 リリーフ指名を受けたコサッキーの投球練習を受けていたエースに、声がかかる。
「やっぱりもう1回、行きましょう」
「そうですよ〜、悔いのないように、勝ち越すまで行きましょうよ〜」(byG)
 えっ。
 悔いのないようにって、何が?
 オレが何か勝利数にこだわっているとでも?
 ここではっきりしておこう。
 みずからわざわざ「エース」と称するオレがもっともこだわっているのは、いわゆるプロでいう「試合を作る」ことである。
 どんな強豪相手でも、なんとか試合にする。もちろん、抑えられるとは限らない。というか、打たれるときは打たれる。ボコボコだ。
 しかし、それでも少なくとも死四球はなるべく出さない、点差が開いても1点でも追いつこうと真剣にゲームをする(投げやりなプレイはしない。ときどきズルもする)。
 どんなに強い相手でもたまには三振などもするもので、そういったことを小さく積み重ねることで、相手の真剣さも引き出す。
 それが楽しく草野球をするコツじゃないだろうか。
 この試合も、いつものオレの役目の先発4回を2−3。
 勝利投手の権利はつかなくても(負け投手になっても)、十分満足だ。
 まだ出場してない選手もいるだろう。
 いいじゃないか、ここまでで。
 まあしかし、試合で「行け」と言われれば行くのが選手。
 現場では采配にしたがうが、ここはまた別の場。今は「ペン」担当なので、よろしく(笑)。
 悔いが残るとしたら、ソロ本塁打を浴びた6回の高めのしょんべんカーブと、1つだけ与えてしまった四球。
 あれは悔やまれる。
 ファウル以外にそんなにいい当たりをされた記憶はないが、だいたいどんな強豪チームでも初対戦のひと回りくらいは抑えるのがエースの投球で、ふた回り目からはかなりタイミングが合ってきてヤバイのが実情。
 それは誰よりも自分が知っている。
 まあとにかく、投球回6、被安打4、与四球1、奪三振5、失点6。
 2006年、対外ラスト投球。何度も言うが、投球自体は楽しかった。
 相手チームも明るくて、いい感じ。イカくさくなかったし。
 ところで相手の二番手の剛球&高速変化球投手は、スガオでやはり投手だったのだろうか。その彼からうちのヒットはR2−D2こと小笹の1本だけ。
 ぜひまた対戦したいものである。
 そして、ミヤタは今回、試合に参加していたのだろうか。
 さて。
 いよいよあとは、ヤングVSアダルトの紅白戦を残すのみ。
 MVP争いも今季は熾烈である。
 打点・本塁打の打撃二部門を制覇した選手。
 2年連続の首位打者。
 WINS発足以来おそらく初めて、エース以外の最多勝投手(事務局も兼任)。
 高齢にもかかわらず相変わらずの出席率を誇る確かな右翼とお父さん。
 男コン戦に異様に燃えるマネージャー。
 その男コンに身を売った(?)九州男児。
 二次会出席率が試合出場率を上回るミスター土下座(紅白戦で先発したいらしい)。
 マンションがとにかく豪華なY選手。
 えー、あと誰だ。
 サーカスの仕事で試合に来れなかった監督候補と、Y選手の豪華マンションに上がったら靴下に穴があいていたキャプテン。
 新人デビューのコサッキーに福田様。
 ときおり鋭い当たりを飛ばす意外性の男たち、カズシゲ(今季は打率もいい)、小笹、ムラケン。
 ああそうそう、忘れちゃいけない、WINS唯一の本格野球人・本木。
 泡盛の飲み過ぎには注意の村上1号。
 えー、以下、多数電報が届いていますが、お時間の都合でお名前だけご紹介させていただきます。佐藤、島袋、涌井、根本、奥田、元永、甲元、それから最近グラウンドに姿を見せない、ヒサ、白木、山本、茂呂、岩本、斉藤、呉、津金、財津、山田、稲木……各選手たち(※事務局へ。忘れてた名前があったら足しといて)。
 最後に、ふふふ、事務所社長と実母の死を乗り越え7勝を挙げ、打率も47歳(今度48歳)なのに3割4分、そして何よりこの『ヨンスポ』ペン率5割強(推定)でWINSを盛り上げに盛り上げたエース(禍根も残しに残したか!?)。
 いったい誰が2006年のMVPにふさわしいのか。
 興味は尽きない。
 ふふふ。

(ペン=本紙エース)

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