09/12/12 レッドビアーズ戦

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■12月12日 レッドビアーズ戦

 2009年の公式最終戦である。
 事務局Gがこれまでつちかったマッチメイク技術の全てをつぎ込んで探し当てた対戦相手は、「経験者と未経験者が半々」の「20代」チーム、レッドビアーズ。
 試合相手が決まるまでには、さまざまなチーム名がとりざたされた。

 チューナマヨッツは本当に解散してしまったのか。
 ビッグジローズ、あるいはジャンキッスは対戦してくれないのか。
 777スターズにチキンズ杯の雪辱を果たさなくてよいのか。
 そういえばその昔対戦した障害者野球チームのロッキーズは元気だろうか。

 以前駒沢球場でよく試合をして一度たりとも勝ってない(どころか2点以上取ったことがない?)ランナウェイズの名前は、なぜか一度も挙がらなかった。
 不思議なものである。
 とにかく、そのようにして選びに選びぬかれた対戦相手、レッドビアーズ。
 名前がいい。酒がらみの名前を持つ野球チームに外れなし。これは、チューナマヨッツで証明済みである。  レッドビアーズ。それを言うならレッドアイなのでは? とも思うが、トマトジュースを混ぜないタイプなのかもしれない。
 しかし名前はいいが、「経験者と未経験者が半々」の「20代」というのはどうだろうか。以前にも書いた記憶があるが、草野球における「経験者」とは、通常「野球経験者」を指すのではなく「硬式野球経験者」を指すというのは、多くの人が知るところである。
 さらに草野球における「20代」というのは、通常「足がとても早く内野ゴロがたいていヒットになってしまう」「バットに当てる技術は高くなくとも、当たれば信じられないほど遠くまで打球が飛んでしまう」「多少コントロールに難はあっても肩はまだ新品同様」ということを指し示すのではないだろうか。

 結果から書こう。

 WINS2009年最終戦にふさわしいナイスゲームだった。

 50代ひとり、40代4人、あとは30代と、ミヤタのみ29歳でかろうじて20代? というジャスト9人で、WINSは果敢に戦った。
 初回こそ、相手のヒットがワンバウンドでセンターの頭上を抜け、とても遠くまで転がっていってしまうなどの不運もあり4点を奪われ、攻撃でも某選手がしぶとく四球を選んだあとの三番・大久保の火の出るような痛烈な当たりを、相手ファーストがしっかり両膝をついて好捕するという「やっぱり……」な展開だったが、以降は見違えるような戦いぶりだった。
 まずは守備。1回の攻防が終わった後、ある選手がつぶやいた。「これは、相当点を取られそうですね……」。しかし、エースは答えた。「いやいや、そんなことないと思うよ。1回だっていい当たりは1本くらいだったからね」。
 その気持ちがナインに伝わったのか、セカンドのパパ山崎が痛烈なゴロを、一瞬逆に動きつつも機敏に反応してアウトにする。ユーティリティープレーヤー化しつつあり、この日レフトに入った村ケンは、強烈なレフトライナーをほんの1〜2歩カニ歩きするだけでキャッチ。
 サードの某選手は三本間の当たり損ねの小フライに「うおーーーーーっ!!」とワケのわからない雄叫び、おそらく野球以外の何かに向けた雄叫びをあげて猛ダッシュ。ファーストのミヤタは、内野ゴロで生還しようとする駿足ランナーを、見事な返球で本塁封殺。
 キャッチャーゴローも、声を裏返してナインを鼓舞した(しかし、あの「ボールバックいきまーす!!」の「いきまーす!!」というのは、なんなのだろう。「ボールバック!!」でいいんじゃないのか)。
 エースは、味方ナインに「昭和の匂いのする球」と言われる、ゆるい大きなカーブ(昭和野球で言うドロップ)を巧みに交え、「20代」のほぼ「平成」野球選手チームに追加点を許さない。
 攻撃面では、レッドビアーズの生きのいい強肩バッテリーにひるまず、老体にムチ打って果敢に盗塁を試みて成功させた、各選手。なにしろ村ケンは、ひょっとしたら記録? とも思える、本盗を含む盗塁ダイヤモンド一周を果して合計4盗塁。パパお父さんこそさすがにアウトになったが、その心意気やよし。
 まだまだ若いもんには負けないぜえ。

 ハイライトは5回裏の攻撃だろう。2対4と2点ビハインドで下位からの打順。先頭の村ケンがこの日二度目の死球で出塁。続くエースはあえなく三振に倒れ反撃ムードがしぼみかけるが、ここからが老練なWINS。
 こんな場面は人生で何度も経験しているのである。
 某がしぶとく四球を選び、ここでダブルスチール(村ケンの盗塁ダイヤモンド一周成立)。1点差。
 さらにゴローも死球で塁が2つ埋まり、打者は大久保軍団長。
 この日まで、1厘差で首位打者を保っていたものの、第一打席の痛烈な当たりを好捕され、首位打者の座をボート選手に明け渡した男。確か去年も、年末のおまけ最終戦でコサッキーに首位打者を奪われた悲運の男。
 その男が燃えた。
 首位打者奪回。頭の中でスーパーコンピューターが彼と我れの打率をはじき出す。チーン! 「2の1なら、首位!」。
 木製バットが火を吹く。
 低いライナーが右中間を抜けていく。
 二者生還の逆転三塁打!!

 その後、また追いつかれたWINSだが、7回裏には粘りに粘り、世界一小さな四番打者MASAにもいい当たりのヒットが出て二死満塁、サヨナラのチャンスを作った。

 結果は5対5に終わったが、このメンバーでこの相手に、本当によく戦ったよ。
 審判も試合後の整列で「ナイスゲームでした。こちらは若い、いいチームでした……」。エースがそれに乗じてつい「こっちは年老いた、いいチームでした」と言ってしまったが、これは審判が言うつもりだった台詞を取ってしまったことになったのだろう。
 大久保軍団長は、最終打席が一失に終わり、またも首位打者の座を譲り渡す結果となった。が、そもそも試合に出なければあっさり取れた首位打者である。「チームの勝利のためなら、首位打者なんて……」そう心に秘めた参戦だったはずだ。
 「まあ、この逆転打がね、最優秀選手の投票にどれだけ意味があるヒットなのか、それをみんなに知っておいてほしいですね」
 本人はそう語っていたが、ナインの意見はどうだろう。
 ここで、最優秀選手投票に向けて、各選手の評価ポイントを記しておこうとも思ったが、長くなるのでやめておこう。
 「自分に清き一票を」という選手は、マニフェストなどを掲示板に書き込んではどうだろうか。間違えてじゅりブログに書き込んでしまわないように注意だ。

 ところで、試合ではあまり活躍が目立たなかった村上1号だが、「23日は私用で行けないので、今日が僕の納会です」とのことで反省会は絶好調。
 「僕の理想は田淵なんですよ。どうしたらああいう大きな放物線を描くホームランが打てるんですかね?」「守備ではレーザービームで本塁タッチアウトってのをやりたいんですよ。どうしたら出来ますかね?」と、エース及び大久保軍団長を質問攻めにした。
 ふたりとも「その前にまずバットに当てることでしょうね」「あと、まずボールをキャッチすること」と答えたのは言うまでもない。

ペン=本紙エース


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