11/9/4 チームカーテシィ戦
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■9月4日（日）チームカーテシィ戦
ヨンスポの原稿アップがこんなに遅れたのは初めてだ。ＷＩＮＳメンバーだけではないというヨンスポ読者のみなさん、すみません。
確かこの日は前日の夜まで予定人数が９人そろわず、いつものように事務局Ｇと夜中のラブコール、そんな感じだった。
そして当日。芝公園野球場。
地下鉄を降りて地上に上がり球場に着く。相手チーム、カーテシィ代表のシマさんが小走りに寄って来て、こう囁いた。
「Ｆ矢さん、Ｆ矢さん。来てますよ、あの人が」
えっ、あの人って？
思わず振り向くと、東京タワーの向こうにヌッと、その顔がのぞいていた。
キ、キヨ。
で、でかい……。そして、黒い……。
清原和博その人が、そこにいた。
まわりには、その対比からものすごく小さく見える野球選手たち。まるで東京タワーとうちのＭＡＳＡ。大人と子どもである。
いや、本当に子どもだった。
チーム名を見ると、おそらくキヨの住んでる地域の少年野球チームなのだろう、監督だかコーチらしき人物は別にいて、清原選手はなんとなくそばに静かについて来ている感じである。
思わず、野球バッグの中からキヨグッズを探す、ＷＩＮＳエース。あった。いつも履いている「５」という数字が入ったハイカットのスパイク。ナイキの清原モデル。しかし、キヨと違って用具管理のずさんなエースのスパイクはどろどろだ。
あわてて水飲み場に洗いに走る。
そこに便所に向かう彼がひとりで近づいて来る。
ヤバい、まだ泥だらけだよ。
別にサインをもらいたいわけではないし、彼の本を作ったり、某スポーツメーカーの小冊子のインタビューで会ったことをアピールしたいわけでもなかった。「いまだにあんたモデルのスパイクを履いてるヤツが草野球にはいるよ」ということだけを教えたかったのだが……。
どうしてよいかわからず「こんにちは」と爽やかなつもりの笑顔を見せるオレ。一瞬足を止めた彼は「な、何を言いだすんや、こいつは（「こんにちは」って、なんなんや。「握手してください」とか「ファンなんです」なら相手のしようもあるってもんやが「こんにちは」て）」という感じにたじろいだ目を宙に泳がして、そのまま便所に向かった。
そういやインタビューで会ったときにも、こんなことがあった。
それは某コワモテ系スポーツインストラクターのジムでのことだった。フロアに車座になったキヨと取り巻きとオレたち。みんな最初から胡座ではあったが、礼儀を重んじる（つもりの）オレは一応「清原さん、正座だとインタビューをしにくいので胡座でお話をお聞きまします」と断った。
するとやはりそのときの彼も「な、何を言いだすんや、こいつは」というような表情で「あっ、うっ、ああっ」というような声にならない声を出し、軽く右手をこちらに差し出したのである。
なんというか、大人社会の定型にはまり込めない親戚の少年のようなというか、そんな部分を残したまま大人になってしまった人物なのではないだろうか。
そんな勝手な憶測をしたところで、試合が始まった。
いやいや、なかなか書かないのに、書き始めると長い。しかも試合の前が。
先発はちょっと久々の登板となるエース。
采配およびキャッチャーは超久々となるキャプテンＮ泉。
つまり１００歳超バッテリーである。
登板間隔が開いたせいか、珍しく制球がいまひとつのエース。しかも、本日の審判はストライクゾーンが微妙。高めに広く低めに厳しい。そんな事情も重なり、いきなり４失点である。
しかし、２回裏のＷＩＮＳの攻撃が見事だった。
いつもは打ちあぐねる相手軟投派投手を珍しく攻め込み、島ブクローの四球からＭＡＳＡのクリーンヒット、お父さん四球、密かに首位打者奪取を狙うＭ田が二塁打、さらに村ケンがセンターの頭を越える三塁打、続くキャプテンは「ああ、腰砕けか」の三振に終わったが、そこからまたコサッキーと事務局Ｇがヒットで続いて一挙６点！
相変わらずピリッとしないエースが再び三たびと同点に追いつかれるものの、５回から登板の島ブクロー、そして７回２点リードの場面で全員の「えーっ!!」の声に送られながらキャプテンの強権発動采配で登板した事務局Ｇが、相手をぴしゃりと抑え９対７の快勝となった。
忘れてならないのは、６回裏にダメ押しとなる１点をもぎとった、キャプテンＮ泉のソロホームランであろう。
祝勝会会場の芝公園『ジョナサン』（なぜか美人客多し）で「今日のヨンスポのメインはなんでしょうね。やっぱり最年長ホームラン記録の更新ですかね？ ですよね？ ああもう、日本酒飲んじゃおうかな」という囁きを何度聞いただろうか。
それにしても、セカンドベースに向かうあたりからの失速ぶりはひどかった。
さらに、終わってみればこれが惜しかった！ という記録があった。
全員安打にひとりだけ足りなかったのである。『ジョナサン』（交番のおまわり曰く『ジョナ』？）では、そんなことをおくびにも出さず、出てきたパスタや揚げ物、ドリンクバーのメニューをぺろりとたいらげた、その男。
もしかしたら、自分でも気づいていないのかもしれない、ひとり負け選手。
まあ、いい。
事務局Ｇも「ぴしゃりと抑え」と書いてしまったが、じつは相手チームの某女子スラッガーには、またしてもこてんこてんにやられたという事実も記しておこう。
そしてキヨ。子どもたちとキャッチボールをする姿も見えたが、全体としてはなんだか木陰とかバックネット裏とかをうろうろして、所在なげな雰囲気だった。足もまだよくはなっていないようだ。
まわりに奥さんとか子どもがいる彼は、さびしい最期を迎えてしまった伊良部投手とはいろいろ違うと思うが、あきるの市でのイベントなどをドタキャンして事務所も辞めたとか……。しかも、ドタキャンの穴埋めにあきるの市（エースの故郷）のイベントに急遽来たのが槇原と元木だったとか……。
うーん、わがチームの監督の行方とともに、キヨも心配だ。大きなお世話かもしれないが。
（ペン＝本紙エース）
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