12/11/25 ビッグベアーズ戦
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■11月25日(日)ビッグベアーズ戦
2012年。今年は年の始めに雨、しかも週末の雨が多く、グラウンドコンディション不良による試合中止が多かった。
そのために消化試合数が少なく、そのせいもあって6勝9敗と負け越しているわがWINS。年も押し迫り、残り試合予定も3つ。このままでは給金を直せないばかりか、草野球審議委員会=草審のくされジジイどもに引退勧告さえ受けかねない成績だ。
なにしろ、6勝3敗で「いける!」と調子こいてから6連敗という体たらく。……体たらくってなに?
さらに言えば、残り試合の相手は、まだ見ぬ強豪THCと、前の試合で0−23と大敗しているよく見る強豪PKMである。DHCとかNSPなら知ってるけど、THCとかPKMってなに?
それはともかく、本日の試合でもし負けるようなことがあれば、このまま地獄の9連敗でシーズンオフの契約更改に臨むことになるかも知れないのである。
エース古矢の頭に「……3億6000万円ダウン?」の文字が浮かぶ。
ああ、そうそう、衆議院選挙も近いが、どこの党もなんで「このままではわが国は沈没します」とか「日本は滅びるよ」とか「日本経済は延々右肩下がりです」とか、ネガティブなことばかり連呼するんでしょう。
ものには言いかたってのがあるのでは?
そんなこと言われて「やばい! アベちゃんに頼んで日銀券をバンバン刷ってもらわなきゃ!」とか「暴走老人にお願いして、お隣りのお国にビシッと言ってもらわなきゃ!」とか思う?
俺は思いません。「あーあ、暗いことばっか言う連中に世の中任せてちゃダメだよな」ってのが普通の感覚なのでは。
野球だって、監督が暗いチームはいくら強くても試合が面白くないよね。
ただチームが強いだけじゃ客が集まらないのは、あの某人物が監督時代の某チームを思い浮かべればわかる。まあ、その某人物、講演会はめちゃくちゃ面白いそうですけどね。そういや、鳩山さんも居酒屋での自虐トークは、けっこう面白かったのにねえ。
そんなわけで、本日の試合は草野球界の伝統の一戦と言われる、ビッグベアーズ戦である。
6連敗中のWINSとしては、申し分のない相手。どういう意味で申し分ないかはよくわからないが、どんな状況でも楽しくできるチームということだけは確かである。
よし、やるぞ。
WINS再生! 闘う改革! 卒原発!(なんなんだ卒業って。尾崎か) 官僚支配からの脱却! 核保有!(都知事選トクマくんの幸福実現党) 命を大切にする野球!
気合を入れて試合を迎えたのだが、集まったのは、なんと8人。
前日まで「11人いる!」と萩尾望都ばりのことを言っていたのに、“新党ひとり”じゃないんだから……。
これでは、ルール上は戦う前に0−9の負けである。
しかし、そこは名門ビッグベアーズのホリイ監督。泣きながら事情を説明すると、ライトの守備要員を貸し出してくれる約束をしてくれただけでなく、「じゃ、これも」と一部200円もする『堀井憲一郎PRESENTS 早稲田ラーメン完全ガイド2013』なる大ベストセラー冊子のプレゼントまでしてくれたのである!
さすが大人物ですなあ。
ちなみに、ジロリアン事務局Gの食いだめ処『ラーメン二郎』はベスト30の6位。エースが愛してやまない『メルシー』(しょっぱくて安くて最高!)は8位。高田馬場駅から西戸山野球場に向かうときに、並んでいるバカップルとかを見て「そんなにうまいのかあ?」といつも心の中で毒づいていた『俺の空』は3位!
……今度行かなきゃ。
あと、読んで激しく食べたくなったのは、10位の『武道家』。
“何といっても、50円の食べ放題ライスが、早大生のソウルを揺るがす。スープの濃厚さは追随を許さない。あれは、主食ではなく、おかずだろう、という濃さで、だからライスを頼まないやつは変なのさ”
おおー、50円食べ放題ライス! 元・多摩芸大生(当時は専門学校)ゴローのソウルも激しく揺さぶられたのではないだろうか。ご飯のおかずとしての濃いスープ。イメージとしては、六本木『天鳳』?
ようやく試合が始まった。
人数が足りていない負い目もあって「ホリイさん、後攻だと嫌がるんです。だから、じゃんけんはしませんよー」(byゴロー)とビッグベアーズ先攻。
内野ゴロエラーで出たランナーを二塁か三塁に置いて、打者はホリイ監督。
珍しくスリーボールノーストライクと制球を乱したエースが、「振ってこないだろう」と投じた外角やや甘めの球を、鋭くセンター返しする監督!
負けてはいけない試合で1点先制されたWINS。
しかし、裏の攻撃の先頭ゴローが、相手遊撃手(某監督?)の失策を誘い出塁。さっそく得意の盗塁。
しかし、本日の相手先発バッテリーは、どっちも肩がいい。あっさりアウト。「ぎゃははははははー」いつものように笑いながらベンチに帰って来るゴロー。笑いの絶えないいいチームである。
次打者・大久保軍団長のボテボテのピッチャーゴロ、そして助っ人・湯一路くんのセンターオーバー、ネット直撃のヒット……という後続を考えると、じっとしていれば同点は確実だったのだが。
2回表もなんとなく1点取られ、0−2とリードされるWINS。
やはりダメなのか、オレたちは……。
ところが、2回裏の攻撃がすごかった。
先頭のカトーさんが、滞空時間は完璧にホームランという左中間へのポテンヒットで、まず出塁。続く六番打者・村ケンが、たぶん振り遅れだと思うが、一塁手の頭上をライナーで越すヒット。これでノーアウト一、三塁。七番・MASAが三振の間に(たぶん)村ケンが盗塁で一死二、三塁。
そこで登場したのが、本日けっこう真剣ムードの八番打者・エースである。
その初球……だったかな? 相手投手の高めの直球! ……と思ったら、あれれ、外角に逃げていく! ほぼ腰くだけ状態だったものの、高めの分だけバットが届き、打球は右中間へ。
これで同点か。
と思ったら、村ケンは三塁ストップ。「いやー、打球の行方を見すぎちゃいました」。って、完璧右中間に落ちてるじゃん……。
何はともあれ、1点は返した。
続くゴローのショートゴロの間に村ケンが生還して同点。
さらに今季絶不調の悩める元首位打者・大久保が久々のヒット(本人曰く「助っ人で行ってるコモドアーズ戦で打ってるからいいんですけどね」)で逆転!
さらに、本日は二塁手MASAが守備で大活躍。
ホリイ監督の2打席目、エース古矢の投球に対する打ち方を熟知している監督(投球フォームを見ずに、球が目の前に来てから振るらしい)が、またまた逆らわない美しいバッティング!
鋭いライナーが一二塁間を襲う。
抜けた!
総武線の乗客も含め、誰もがそう思ったその瞬間。何か小さなものが、たとえて言うならコアラのような物体が、横っ飛びに宙を舞ったのです!
タツジン!(from『ニンジャスレイヤー』)
鋭い打球をワンバウンドでダイビングキャッチしたMASAが、サンフランシスコジャイアンツのスクータロ選手ばりに瞬時に起き上がり、ファーストへ送球。
「アウトッ!」
その日いちばんの審判のコールが四谷の街にこだまする。
WINS200年の歴史の中でも、ベストプレイ3位くらい(『俺の空』と同じ?)に入るであろう美技だ。
ゲームの趨勢は、このプレイで決まったのかも知れない。
ちなみにMASAは、次打者の真正面のセカンドゴロを大トンネル。コアラばりの下半身の間をどのように打球が抜けていったのか謎は残るが、まあいい。
そして、6−4で迎えた7回表ビッグベアーズの攻撃も、ショート大久保、サード湯一路の好守備があり、あっさりツーアウト。
ここで「えーっ、たった2球? いや、たった3球でツーアウト!?」と、捕手ゴローが言わなくてもいいことを口ばしる。
そういうことを言うと、流れというものが変わるんだよ。
しかし、そこは本日勝ちにこだわっているエース。
「レフトー! レフト、行くよー!!」と、大きな打球を打つ強打者であるという褒め殺し作戦で、相手打者を牽制。
こういう場合はね、「たった3球でツーアウト? じゃあ、ちょっと見ていこうかな」と思う打者の心理を褒めて揺さぶるんです。わかってるか、ゴロー?
狙い通り、いい当たりのレフトフライを、次週が結婚披露パーティーという村ケンがしっかりキャッチして、おめでたいゲームセット。
やったぜ、WINS。8人で7連敗を阻止!
……相手にはかなり申し訳ないが気分がいい。
最後に自戒の意味を込めて記しておくと、真剣モードのエースは、一死満塁の三塁走者だったときに、内野ゴロでタイミングは完全にアウトだったにも関わらず相手キャッチャーに突進、ぶつかる瞬間理性が働きキャッチャーを飛び越そうとして、そのまま落下。
全体重を右腕一本で支えたときに、勢いがありすぎて肘が曲がらず、つっかえ棒のような状態になってしまった。「ビキッ」みたいな音がしたので「折れたか?」と思ったが、幸い2週間ほどでほぼ完治。
何が言いたいかというと、このトシでいくら勝ちたいからって、真剣になりすぎるのは考えものだということだ。自分も怪我するし、自分ならまだしも相手に怪我をさせてしまったら、それこそ草野球選手生命を絶たれます。
みなさん、来年ものんびり楽しく、怪我のないよう野球をやりましょう。
強いニッポン、強いWINSじゃなくていい。
楽しいニッポン、楽しいWINS野球をどうぞよろしく!
ペン=本紙エース
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