14/3/1 ゴブリンズ戦

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■3月1日(土)ゴブリンズ戦

 2014年シーズン、WINS2戦目。天候不順、人数不足、球場確保が難しい、寒い金がない仕事も家もないお腹が痛い……などの理由が重なり、例年に比べて試合数の少ないわがチーム。
 じつは、最近には珍しく初戦を辛勝し、通常ならばそれが『ヨンスポ』2014年第1号となるはずだったのだが、その原稿をWINS最年長選手カトーさんが執筆するという説が流布したのにもかかわらず、ソチ五輪が終わっても原稿は届かなかった。
 「ああ、やっぱりあの金満男(銀行のATMを空にした前歴あり)は、印税が発生しない原稿は書かないのか」
 みんながみんな、そう思ったことだろう。
 悲しいことである。人は、金のためにしか動かないのだろうか。そんなはずじゃないのは、NHK朝の連ドラ『ごちそうさん』を見てもわかるはずなのだが。
 というわけで、『ヨンスポ』2014年第1号は初戦のカーテシー戦ではなく、2戦目のゴブリンズ戦となった。
 あ、ところで、新聞協会が発表したデータによると、現在の日本で新聞を「読んでいる」と答えた人は83・6%とのこと。
 えーっ。
 それって、「読んだことがある」とか「見たことはある」と答えた人の間違いでは。
 ちなみに、これを書いているエース古矢は『朝日新聞』をとっているが(どグサレ球団の某女子選手に「えーっ、『朝日』とってるなんて、サヨクですか!!」と言われた……)、毎回6か月の契約の更新を4か月くらい前にとりにきて洗剤を山ほど置いていった勧誘員が、ここ2度ほどはタオル1枚しか置いていかないような状況である。
 新聞とってるヤツなんか、もうほとんどいないのでは?
 そして、WINSで新聞をとっている選手はどれくらいいるのだろう。
 新聞はいいぞー。
 そうでもないか。
 この『ヨンスポ』は、どれくらいの人が読んでいるのだろう。日本の草野球紙の中では、読者数はナンバーワンだと思っているのだが……。対戦チームのかたも、読んでいるなら読んでいると掲示板などに書き込んだり、試合のときに「この前のヨンスポ、よかったですよ」とか声をかけたりしたらどうなのだろう。
 そんなこんなで、ようやく試合が始まった。
 3月1日(土)午前9時。
 朝から小雨模様。しかもこの時期、大雪が降るなど、もし家族がいる選手なら「こんな日に野球なんて、バッカじゃないの!?」と言われること必至の寒さだった。
 それでも、事務局Gの強引さと相手チーム・ゴブリンズのご厚意により、なんとかプレイボール。一応明記しておくと、小雨模様の中強引に球場集合を主張したわがWINSは、ジャスト9人なのに、先ほど話題にのぼった金満カトー選手が遅刻(深大寺そばを食っていた疑惑あり)という、ていたらくだ。
 先攻させてもらい、さらに1回裏にはライトを借りるという情けなさ。毎度毎度、すみません、ゴブリンズ監督&ナインのみなさん。
 本日のWINS先発は、存続の危機を迎えているどグサレ球団から助っ人参戦してくれた栗山選手である。1回表、一塁を守るエース古矢がファウルフライを落球して足を引っ張るも、けっきょく三者三振に抑えるという素晴らしい立ち上がり。
 しかし味方打線も、軟投派に転向したように見える相手投手(中日の岩瀬を右投げにしたような?)に、ほとんどバットが合わず凡打&三振の山。
 試合は2回裏に動いた。
 先頭打者を4者連三振となる投球で仕留めたものの、次打者に四球。盗塁を許し、さらに次打者に初安打を許す。一死一三塁。
 ここで当然、バックホーム体制をとるWINS。まだ2回だが、雨も気になるし、緊張感のある状況でプレーすることに慣れるためには、もちろん前進守備だ。
 ここで、当たりはボテボテのゴロ!
 アグレッシブなピッチャー栗山が捕とりにいくものの届かず、そこでファースト古矢がカットする手もあったが、セカンドMASAに任せると、ここでMASAが得意の大道芸を見せた。
 ジャグリングスペシャルだ!
 あわてて一塁ベースに戻ったエース古矢に、そのままジャグリング送球するものの、間一髪間に合わずジャグリングセーフ。その間に三塁走者が生還し、1点先取される。再び一死一三塁。さらに続けて前進守備のサードをゴロが襲う。
 今日のサードは村ケン。好捕したものの、一塁に高投。前進守備だったために一塁手のベースへの戻りも遅れ、ジャンプもやや手前だったかもしれない。
 その後は栗山投手が連続ピッチャーゴロに抑えたものの、この回3失点。
 ベンチに戻るWINSナインから「おーい、うちはピッチャーでしかアウトをとってないぞー!!」の声が上がる。確かに、アウトは三振とピッチャーゴロだけだ。
 しかし、ここで踏ん張ったのが本日サードの村ケン選手。
 少年が原っぱでバッタを捕るような無垢な動きで、3回表は2つのサードゴロをしっかりさばいた。
 さらに4回裏、またまたサード村ケンが三塁線の当たりを昆虫採集的好捕、振り向きざまに本日いちばんの送球を一塁に送り、相手の攻撃をゼロに抑える。
 ここでノッていきたいWINS打線だが、本日は(いつものこと?)相手投手にまったくタイミングが合わず。とくにゴローとエースは深刻な状況。まるでバットにボールが当たる感じがしない。
 それでも5回、世の中、何が起こるかわからない。
 先頭の六番村上1号が四球で出たチャンスに、次打者ゴローが世界でいちばんやってはいけない内野フライ。続くエース古矢も「だんだんバットに当たってきたよー」と言いつつ、けっきょく世界で二番目にやってはいけない見逃し三振。
 やっぱり……と思いかけたところで、あっさり二死をとって安心したのか、好投の相手投手がカトーさんに四球を与え、ぎりぎりのところでチャンスがつながる。
 ここで打順は先頭に戻り、本日唯一ヒットを放っていたWHO選手。巡り合わせというのは恐ろしいものである。期待に応え、WHOがセンター前ヒットで1点返す。
 これで1対3。
 さらに、ここまで一飛&投ゴと、打てそうになかった村ケンが、守備での貢献に気をよくしていたのか、昆虫採集で鍛えた手首の強さを発揮して、右中間を抜ける2塁打!!
 やった、3対3の同点だ。
 相手打線もあっさりとは引き下がらない。
 それまでいい当たりをほとんどされていなかった栗山投手だが、その裏一死後に、二番の外国人選手に強烈なレフト前ヒットを浴び、続く三番打者にもレフトのライン上を襲う痛打を許す。さらに、四番の相手監督に四球を与え一死満塁の大ピンチ。
 ここで次打者はセカンドベースの後ろへの微妙なフライ。
 ショートを守るH2が回り込んで捕球態勢、ここで審判がインフィールドフライを宣告。
 しかし、故意にかどうなのか、H2が落球!!
 それを見た三塁走者の外国人選手が猛然とホームへダッシュ!!
 事情のよくわかっていないセカンドMASAがボールを拾い、ホームに送球!!
 アウト!!
 インフィールドフライが宣告されていたので打者はすでにアウト、さらに本塁に突っ込んだ走者もアウト。ゲッツーだ。
 これは奇跡と言ってもいいだろう。
 1点や2点は覚悟したピンチが、一瞬にしてチェンジ。
 そして、同点で迎えた6回。ショートゴロエラーで出たMASAが短い足をフル回転させて盗塁を決め、ノーアウト二塁。しかし、続く村上1号が三振。一死二塁。
 打者はゴロー。ここで監督代行のエース古矢が「セカンドしか入ってないぞ! 走れ走れ!」とMASAに声で指示。渋々走ったMASA、盗塁成功で一死三塁。
 だが、ゴローがもっともやってはいけない遊ゴ(しかも、よせばいいのにそこそこいい当たり)で、MASA三塁から動けず。
 同点で二死三塁。
 打者は、本日まったくバットにボールが当たる気のしないエース古矢。
 案の定、空振りとチップで2ストライクと追い込まれる。
 ひーっ。
 当たるのか、オレ。当てられるのか、オレ……。
 意外にドキドキ。
 そうしたら、当たりましたー!! しかし、真っ正面のショートゴロ。だけど、ひょっとしたら何かあるかも起こるかも、お願い起こって!! と必死で一塁に走ると、目の前にワンバウンドの送球が!! 
 ああ、なんとそれを、一塁手が弾いてくれたのです!!
 渋い、渋すぎる勝ち越し。これで4対3。
 勝ち投手の権利を得た好投の栗山選手はお役御免、H2へと継投だ。
 コントロールの定まらない日もあるH2だが、この日は安定した投球。6回裏をゼロに抑えると、7回表には一死満塁のチャンスから、村上1号のセカンドゴロで、またまた渋く追加点。
 さらに追加点のチャンスで打者はゴロー。
 そのときの監督代行エース古矢と、勝ち投手の権利を得ていた栗山投手の会話。
 「ゴローはさ、ヒットとか打たなくてもいいから、とにかく粘って時間をかせいでほしいね。もう時間がないから、ちょっと粘れば裏の相手の攻撃はなくなるよ」
 「そうそう、僕もそう思ってました。粘ってくれればいいよね」
 しかし、ゴローはあっさり空振り三振。
 守備位置に散るWINSナイン。
 それでもやはり時間は足りず、ゴロー捕手の挟殺ボーンヘッドで1点を返されるも、審判の判断でゲームセット。
 ゴブリンズの7回裏の攻撃は終わっていないが、ぎりぎり1点差でWINS勝利。
 これで2連勝。
 久々の開幕ダッシュ。
 「今日は気持ちよく投げられたなー」
 そう言ったのは、存続の危機を迎えているどグサレ球団からの助っ人・栗山選手。
 チームもご機嫌で、お上品な奥様やファミリーが集う昼下がりの二子玉川にくり出し、マグロの刺し身をほおばり、活貝盛り合わせを焼きまくり、メガハイボールをがぶ飲み、「もう次の店に行く金がないんですー」と泣きはじめる某選手を引きずって、数少ないジモティー的店舗・青ねぎお好み焼き『大文字』にまでなだれ込み、店主のおばちゃん姉妹(?)相手にセクハラ攻撃。
 いやー、楽しかった。

●ペン=本紙エース


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