18/6/30 ゴブリンズ戦
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募金5020円
■6月30日(土)ゴブリンズ戦
「『ヨンスポ』長いよ〜」「原稿料に換算すると12万円の文章量? それをタダで? アホですね〜」「長過ぎて途中で読むのやめました」
そうした意見が多かったので、今回は短くまとめる……と思ったら大間違い。
「書きはじめる前から長さを考えるバカいるかよ!」
アントニオ猪木なら、そう言って闘魂注入のビンタをするだろう。
「迷わず書けよ、書けばわかるさ」
そう、文章も人生も、自分の意思とは関係なく突然生まれ、生きて生きて、書いて書いて、やがてたどり着くのが墓場であり、結末だ。
短く長さの決まった文章がいいなら、俳句でも詠んでおけ。
ここでマイフェイバリット俳句を一句。
歌丸を 集めて早し 最上川
これはたしか春風亭昇太が詠んだ句だったと思う。傑作だ。
新聞といえば、最近わが国の副総理がこんな発言をした。
「新聞読んでない人は、みんな自民党(支持者)」
これって、どうなの?
ちょっと前に「(憲法改正についての考えは)読売新聞に相当詳しく書いてある。熟読してください」と宣った総理大臣がいた。
つまり、
「(憲法改正についての考えは)読売新聞に相当詳しく書いてある。熟読してください」×「新聞読んでない人は、みんな自民党(支持者)」=自民党支持者は憲法改正について何ひとつ理解していない
という計算式が成り立つのでは?
そんなこんなで、いきなり試合始まった。
珍しくウインズ先攻。一番・大久保、二番・山P、三番・栗山というめったにない攻撃的な布陣。試合前、石原&山P両選手の突然参加に、いつものように2週間あたたたたためてきた(あたためすぎ)スターティングメンバーが一気に崩壊、「えーっ……」と嘆きの叫びをあげていた監督・杉本も、いつの間にか「今日は強いかも」と、監督としてどうなのかと思われる発言をしながらニンマリしている。
しかし……。
大久保が強めのファーストゴロ、山Pがショートフライ、栗山がサードゴロ。この間、体感時間は5秒。瞬殺だ。相手であるゴブリンズの先発投手のできがよく守備も堅い。
ちなみに、本日参加の山P選手の弟は、ソフトバンクホークスから楽天イーグルスへと移籍した山下斐紹(あやつぐ)捕手だ。
ただし見た目は、杉本監督に「あんな奇麗な顔の男、久しぶりに見たよ〜」とアヤしい発言をさせた山Pと違って、弟はホークスでいえば松中選手のような、ごつい体型のスラッガータイプ。交流戦の対ジャイアンツで出場、解説の桑田に「ピッチャーに出す『ここに投げて来い』というジェスチャーがいいですねー」と褒められていた。注目の選手だ。
1回裏。ウインズ先発はエース古矢。
先頭打者はセカンド右へゴロ。本日セカンドを守る石原がダッシュよく好捕。しかし、至近距離に迫った一塁に、勢いのまま投げたため本塁側に送球が逸れ、ファーストTOM選手が捕れずにセーフ。
ランナーはセカンドまで進んだ。
ここで二番打者が、先ほどよりはファースト寄りのゴロ。TOMが捕りに出たのを見たエース古矢が一塁カバーに走るが、その瞬間、TOMは足を止め、セカンド石原、エース古矢、3人が見つめ合うなか、打球はゆっくり一二塁間を抜けていった。
お見合い結婚をしたばかりとはいえ、野球の試合でもお見合いとは……。
次打者もサードゴロエラーで出塁。ゴブリンズ四番打者のセンターへのいい当たりを大久保が好捕、さらに次打者の一塁フライをTOMが無難にさばいたものの、続く打者に二塁打を打たれ、この回けっきょく3点を先行された。
2回表の攻撃は、TOMにヒットが出たものの後続なく終わり、その裏、エースの制球が乱れた。レフトWHOの好捕に助けられたものの、3四球で2点献上。
これで0−5。
3回表は先頭のWHOが見事な二塁打で出塁。三塁コーチャースボックスからエースが「ノーマーク、ノーマーク! ……セカンド入ったー!」と叫んだその瞬間、悲劇は起こった。
牽制タッチアウト。
「えーっ!?」ベンチから一斉に声があがる。
続く島田は左飛に倒れ、さらにウインズのため息が球場に響くなか、絶好調男、青春ゴローがレフトにポテンヒット。これで前の試合から4打席連続ヒット。これはもしかしたらウインズ記録かもしれない。「黒ユニ美女大賞」の力、おそるべし。
エースが四球で二死一二塁のチャンス。しかし、MASAがあえなく三振。
3回裏からは栗山がマウンドに上がるが、微妙に厳しい判定も多く、9四球に要所でヒットがからみ10失点。
むむむむむむ。
ここでひとつ、厳しいことを書いておこう。
2回裏からその前兆はあった。
いつも投球テンポの超早い生き急ぎ系投手のエースがいつものように投球動作に入ったとき、審判がこのようなことを言った。
「まだまだ、打者が構えてから」
いや、たんに「投げるのが早すぎる」だったか。
そのときは冗談で「オレたち、残された時間がないから焦ってるんですよ(笑)」と答えたエースだったが、このとき思い出したのだ。
「この審判。以前、角栄の目白御殿そばの球場で試合したとき、ファースト島田のナイスな隠し球アウト成立を『卑怯な手はやめましょう』と認めなかった、あの若者じゃないか……」
試合後、それをゴローに確認すると「あ〜、そうですよ〜! 対戦相手も同じだったし!」
たしかそのときもエースは「オレたち、そんな卑怯なことでもしないと勝てないんですよ〜」と笑って答え、抗議はしなかったはずだ。
草野球の場合、審判に抗議したって試合が楽しくなくなるだけ。それがウインズの方針でもある。
しかし、思えばあのとき、きちんと抗議しておけばよかったのかもしれない。
オレたちは少年野球でもないし、これから先の人生もたいしてない。早いテンポの投球だって卑怯なマネだって、いいじゃないか草野球なんだし、ルールは許しているんだし。
そう思うと、妙に慎重なストライク、ボール判定。ワイルドピッチを追うときに外した面を几帳面に装着しなおす仕草……あるゆるものが気になってくる。味方の捕手ゴローなんて、逸らしたボールを追うのに面を外していないのに(外せよ!)。
そのストライク、ボール判定も、まあ最初からコースを外れている球はともかく、俗にいう「ハチマキ」状のホームベースをかすめるような球は、もうちょっとストライク判定してもよいのではないだろうか。
だって草野球なんだから。
1イニングで9四球を献上した栗山投手の心境はわからない。しかし、見た目はいかつくても、草野球人誰もが心は繊細だ。ヘリオス戦でも四球を連発したが、あのときも捕手がゴローから助っ人選手に代わったイニングからだった。
助っ人選手が悪いのではない。技術、肩、心意気、すべてがゴローを上回っていただろう。しかし、繊細な心には「初めての人(=キャッチャー)」との行為は、極度の緊張を強いられるものだ。
栗山投手が本日の審判の厳しい判定に苦しんだことは、想像に難くない。
あの若い審判がこの『ヨンスポ』を購読しているかはわからない。
購読していたとしても、審判には審判の美学があるに違いない。
しかし、時間が許すならもう一度「草野球の審判とはどんなものなのか」、それを自分に問いかけてみてほしい。
試合は0−15と、高校野球予選ならコールドゲームの様相を呈してきた。
4回表、ウインズの攻撃。
先頭の監督・杉本が死球で出塁。続く大久保は中飛に倒れたものの、山Pがレフトに痛烈な当たり。本日、風が強く、外野に上がった打球の判断が守備攻撃とも難しかったのもあるが、なんと、一塁走者の杉本がセカンド封殺!
「えーっ!?」またもウインズベンチから大きなため息の合唱があがった。
「すまん」とベンチに戻った監督・杉本。
暴走族ブラックエンペラー国立支部アタマ(?)、二度の離婚、現在の酒断ちなど、数々の修羅場をくぐり抜けてきた杉本も、下半身の衰えが目立つ今日この頃だ。そろそろオムツも……? 多くは語るまい、お互いさまだ。
続く栗山は、外角の球の微妙な判定で見逃し三振。うーん、たしかに相手投手の投げた球は非常にいいボールではあったが……。
ウインズにようやく得点が入ったのは、ゴブリンズ投手が剛球派に代わった5回。ピッチャーゴロとキャッチャーファウルフライをはさんで、5四球で押し出し2つ。しかし、なおも続いた二死満塁のチャンスに、エースが追い込まれたあと内角を剛球でえぐられ、命からがら避けたものの「なんで避けるんですか〜」「人には『当たっとけよ!』って言うくせに!」という味方の叫びのなか、続くスライダーで軽くひねられ空振り三振。
くそ〜。
6回表、二死無走者からようやく出た大久保のレフトオーバーの3塁打(生きててよかった!)、山P死球のあとの栗山のタイムリーヒットでもう1点取ったものの、ラストバッター四番カトーがライトに放った自身最長不倒と思われる飛距離の打球を相手野手が好捕し、けっきょく3対15の大差で試合終了。
惨敗、かついろいろあったが、とにかく試合ができたことを言祝ごう。
よかった、ゴブリンズ含めてみんな集まって、野球ができて!
そして、試合後ちょっとした事件が起きた。
ロッカールームに帰った大久保が、「着替えの靴下が片一方ない」と言いだしたのだ。
「えーっ、頭に乗ってるよ」「最初から片っぽしか履いてきてないんじゃない?」「片方の足に2つ履いてるんでしょう?」「片靴下の男がいるとなると、今日の宴会は座敷は無理だな」……などなど、侃々諤々の大騒動。
長靴下のピッピなら名作だが、片靴下のオークボではしまらない。
次の試合が始まろうとしているベンチまで戻って探すも見つからず。あきらめて片靴下でも入れてくれる飲み屋を食べログで探そうと決めると、今度は遠くでカトー選手が自分のバッグをごそごそやっている。
「大久保くんの片靴下が入っていた?」「いや、サングラスが見つからないそうです」
えーっ。
しかし、そこで本日、試合中の記事には1行も登場していない村上1号が言った。
「ああ、なんかベンチのあそこに置いてあったような……」
さっそく村上1号がサイクロン号を疾駆させ、またまた試合開始直前のベンチへ。
あった〜〜〜〜〜!!
本日のウインズに届いた唯一の朗報といえるだろう。
(激ペン=本紙エース古矢)
追伸
反省会には珍しくほぼ全員が参加。先日お見合い結婚、ウインズナインからお祝いを贈られたTOM選手が「お返しに、今日の一杯目は皆さんにごちそうします」と、自分の勘定+5000クルゼーロを置いて帰った。ごちそうさん。もうお返しはいらないよ。でも、嫁さんの名前は早く教えてくれ。あと、島田選手が持って来た『野球世界』という古い雑誌と、おじいちゃんが描いたというその広告イラスト。もう一度ちゃんと見たいなあ。
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