06/3/21フォーミックス戦
<試合結果>
<スライドショー>
<その後>
■3月21日のフォーミックス戦の試合経過
通算戦績0勝1敗のフォーミックス戦。
ただの1敗ではない。
リリーフ登板したウインズの切り札・本木が、相手チーム選手の「こんなピッチャー、たいしたことないよ〜」の野次に頭に血が逆流、スコーンと打たれ9対10のスコアで負けるという、悔しい敗戦だった。
「僕の野球人生で最大の屈辱」
その後イチローが流用使用することになるその言葉を1年前に言ったのは、じつは本木だったのである。
そんな思いがあったせいか、試合3日前までは11人、あるいは12人は集まるかという勢いだった。
しかし、試合前日になぜかドタキャン続出。
「△だった僕が行くから大丈夫ですよ〜」
とエースに言っていた宮田までが当日不参加である。
いったいなぜなんだ。
まさか、WBC決勝戦とまるっきり時間が重なったせいだったりしないだろうな、おい!!
そういえば去年の夏も確かオレたち「駒大苫小牧−京都外大西」の甲子園決勝当日に試合してたなあ……。
しかし、それこそが草野球・愛。
それにしても、フォーミックスがとってくれた上柚木公園球場の立派なことったら。
外野は天然芝。122メートルのセンターフェンスの上に立派なスコアボード。内野スタンドには客席。
キューバやドミニカの子供たちは、こんな球場で野球やったことないんだろうなあ。
そんな複雑な思いがよぎる。
そして、キャッチャーからバックネットまでの遙かなる距離。
今日は時間があるので9回まで。そろったジャスト9人で最後まで戦い抜けるのだろうか……(とくにセカンドのお父さん=山崎が心配だ)。
とにかく、試合は始まった(ちなみにこの時点でWBCは日本がキューバを4−1でリード)。
珍しくウインズ先攻。トップバッターの佐藤は倒れるも、絶好調の大久保のバットが快音を放ち出塁。いつものように盗塁も決める。各種の思いで力の入りすぎた本木はショートゴロだったが、執念が通じたのか相手野手がエラー。
続くは、みずから監督志願し、打撃不振ながらあえて自分を四番に大抜擢した杉本。
なにか期するところがあるのだろう。
だが、あえなくショートゴロ(この前も同じことを書いた記憶が……)。
3月場所中のカド番大関・魁皇とその姿がダブったようにも見えた。
その間に、大久保が好走塁で1点先取。さらに敵失が重なり、初回2点。
四番はともかく、チームはいい調子だ。
しかし、なかなか簡単にことは運ばない。
あの審判だ。
今季ここまで4試合、与えた四球はたった1コというエース古矢だが、コーナーぎりぎりに投げる芸術的投球をことごとくボールと言われる。
加えて、3塁線のファールと思われたゴロをフェア判定。さすがに老獪なエースも動揺を隠せず、満塁のピンチを招いてしまう。
なにしろ、自分でこんなことを言う審判である。
「あっちにもいたじゃないか、オレみたいな審判が。がはははははは。まあ、さすがにオレもあのホームランは二塁打にしないけどね」
フォーミックス御用達、多摩地区のデーヴィッドソンとはこの人だったのだ。
そして快音。鋭い打球がライトを襲う。
今日のライトは誰だ!?
ゴ、ゴロー……。
いつものように前進のかまえを見せつつフェイント、身体を左右にブレさせながら機関車バックだ。
バンザイの態勢のまま、もんどりうって背中から倒れるゴロー。
しかし、ボールは落としていない。
でかした!!
スリーアウト。
これで勢いにのったウインズは、32歳の誕生日バカバット松坂が相手外野手の頭を軽々と越える長打を連発、頭に血がのぼりぎみの本木も鋭く外野の間を抜けていく当たりを3発、キャプテン中泉も待望の今季初ヒット(そのあと2三振)、エース古矢までが3安打という、ウインズ、春の珍事とも言うべき猛打ショー。
しかし、ウインズ選手に何事かささやく審判。
何か注意でも? と思ったら「……まだ松坂は投げてるのか?」。
草野球の試合中にWBCの経過を気にする、さすがデーヴィッドソン。
フォーミックスも意地で二番手ゴローから1点をもぎとる。
ここでも審判。
「(背番号)25番をもっと早く出してりゃ、5点は取れたなあ」
わははははは、いったい誰に向かって言ってるのだろう。
結果は12対1。
猛打もあったが、「柔の佐藤、剛の本木」とも言える鉄壁の三遊間。センター大久保の好守。二度は続かないが、1回はいいプレイをするお父さん=山崎。
攻守にわたっていつになく素晴らしかったウインズである。
WBCも、われわれのゲーム終了のすぐあとに10−6で日本の勝利。
じつにめでたい。
そんな中、どこをどうやったら一度もヒットを打たずに試合を終えることができるのかとナインを不思議がらせたのが、5タコの四番・杉本である。
ウインズ用語で言うところの「ひとり負け」。チャゲ&飛鳥に歌ってもらおう。
ところで、試合後もウインズのベンチに張りつき元気な審判。
しまいには、惜しいコースへの投球をボールと判定され不満のジェスチャーをくり返したストッパー本木の頭をボールで小突くという暴挙に出る。
「若いように見えてこいつももう30歳なんですから、そんな子供扱いしないでくださいよ〜(笑)」
とエースがあいだをとりもつが、まったく意に介さない多摩のデーヴィッドソン。
「なに、30歳? オレは75歳だ、バーカ!!」
わはははははは、75歳にしてグラウンドで悪態をつく野球オヤジ。
はっきり言って好きだ。
これで1勝1敗のフォーミックス戦。
決着となる次の一戦も、ぜひ裁いてくださいよ。
それまで、夜道はくれぐれも気をつけて!!
(本紙・エース古矢)
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