13/4/13 シブノーラ戦

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■4月13日(土)シブノーラ戦

 農産物や保険、クルマのことばかり話題になるTPPだが、野球や相撲、競馬などにも影響をおよぼすのではないだろうか。
 外国人枠の問題である。
 プロ野球の関税ともいえる外国人枠が撤廃されたら、アメリカやカナダ、メキシコ、オーストラリアあたりから、続々と選手が流入してくるのだろうか。
 もしそうなれば、横浜あたりは外国人ばかりにしてYOKOHAMA黒船ベイスターズとかにしたら、かえって人気が出るのでは。となると、NAGASAKI伴天連シスターズとかもほしい。
 OKINAWA普天間ベースも……って、そのまんまだよ!
 そんなことを思いつつたどり着いた本日の球場、台東リバーサイドS.C.野球場は、今や第二事務局の様相を呈してきた感もあるWHO選手が確保した、WINS初見参のグラウンドである。
 ソメイヨシノの季節は終わったが、清々しい新緑の木々の中にところどころ咲いている八重桜が美しく、隅田川の向こう岸には、とんでもなくでかいスカイツリー。
 しかし、朝からそんなに隆々とそそり立たなくても……。
 まあ、いい。
 本日の相手は、これまた初の対戦となるシブノーラ。うれしいことに、若く美しい女性3人(しかもミニスカ&タイツ姿も)を含んだ、ジャスト9人のナインだ。
 しかし、今日はこちらもWINSだけでは9人そろわず、どグサレ球団との合体チーム“どウィン”としての試合である。
 試合前、相手チームキャプテン(?)が、いろいろ借りに来る。
 「すみません! 女の子がひとり『守れない』って言ってるので、守備のときにセンターを貸してください」
 「すみません! バットを借りることはできるでしょうか?」
 「すみません! キャッチャー用の面を……あっ、ミットも借りちゃおうかなあ」
 どうやら、チーム結成間もないようだ。
 もちろん、毎年毎年懲りもせずに試合を組み(どちらかというと負け続けながら)、その一方で密かに草野球伝道師(電動師ではない)としても活動してきた四谷WINSである。人員および用具類の貸し出しに、こころよく応じるのは当然だ。
 「アナタハ、クサヤキュウヲシンジマスカ?」
 そうは言わなかった。
 「いいよ、いいよ! なんなら金も、3万くらいなら貸すぜ」
 「……お金はいいです」
 どうやら、お金には困っていないチームのようだ。
 ようやく試合が始まった。
 “どウィン”の先発は、どグサレ育成選手の山P。
 某球団にドラフト1位指名された弟がいるという、WINSにもひとりはほしい選手だ。どグサレのユニフォームは、まだ上しか作っていないという。たとえ上半身は許しても下半身だけは大事な人にとっておく、そんな男ゴコロかも知れない。
 下半身はWINSでどう?
 全般的に若そうに見える、というかはっきり若い、相手チーム・シブノーラ打線。大きなファールなど打たれたものの、こちらも若い山P、ヒットを許さず無失点で1回表を終える。
 その裏、“どウィン”の攻撃。先頭の山Pは、鋭い当たりのファールを打ったものの、最終的には三振。相手ピッチャーは、ノースパイクノーユニフォームながら、なかなかのスピードボールを投げている。
 「ガム噛みながら、なんかメジャーリーガーみたいですね」
 MASAがつぶやく。
 続く、湯一路選手もショートゴロ……と思ったら、ショートのやけに速い送球をファーストが捕れず、出塁。
 さらに、三番・島ブクローも投失。四番・H2もセカンド正面のゴロだったが、ここにはミニスカ&タイツの女子選手。グラブに当てたものの弾いてしまった!
 「ああ〜〜〜惜しい」
 なぜかWINSナインから嘆きの叫びがもれる。
 ふと見ると、ライトを守っているもうひとりの女子選手が、何かを構えている。どうやらグラブではないようだ。
 「あっ、写メだ〜」
 「『草野球なう』、みたいな感じですかね」
 「フライを“捕る”んじゃなくて“撮る”んだな、さては!!」
 WINSナインが口々に、うれしそうに叫ぶ。
 そのあと四球もあり、1回裏に5点先取。しかし、ヒットはMASAのライト線へのポテン二塁打のみ。5失点でも、ピッチャーの自責点はゼロだ。
 2回表も、山Pは快調に飛ばし、無失点。
 「このままでは、相手チームの女子選手3人に、山Pの印象ばかりが残ってしまう……」
 WINSの誰かが心の中で叫ぶ(エースではない、と思う)。
 2回裏。先頭の島ブクローが四球で出塁。四番・H2は力が入りすぎて遊飛に倒れるが、MASAのピッチャーゴロに相手投手がスッテンコロリン、さらに続くTOMの平凡なライトフライを、写メの女子選手がやや引きで“撮り”にいったのか、ボールが落ちる位置から3mほど離れた場所で動かずヒットにしてくれる。
 ふたりが返って7対0。
 さらに三塁エラー、四球と続き、一死満塁で打席にラストバッターのエース。
 「これまで、相手チームの女子選手3人の印象に残っているのは、やはりピッチャーの山Pだろう……」
 WINSの誰かが心の中で叫ぶ(エースではない、か……)。
 そこで出ました!
 カッキーン!!
 鋭い打球がショートの横をライナーで抜けていく。
 と、相手レフトがバウンドした打球を倒れ込みながら捕ろうとしたが叶わず、打球は後方に転々。
 ここ、台東リバーサイドS.C.野球場は毛足の極端に短い人工芝でボールが転がりやすく、さらに神宮と違って外野が重なり合わない、ゆったりサイズの2面球場だ。
 センターに入っていたMASAが打球を追うが、その姿がどんどん小さくなっていく……(いや、元からかもしれない)。
 悠々の満塁ホームラン!!
 「これで、相手チームの女子選手3人の印象は……」
 と、思ったら、続く山Pが負けじと左翼線を抜くソロホームラン!!
 ぬぅ……。
 「どっちも1ヒットとレフトのエラーだよなあ」
 誰だ、そんなことを言ったのは。
 相手レフトは、実はどグサレにも所属している某選手。“どウィン”に気をつかってくれたのかもしれない……。
 そこからは相手エラーやポテンではなく、H2選手にもTOM選手にもWHO選手にもクリーンヒットが出て、けっきょく打者2順で11点。
 16対0で、ほぼ勝負ありか。
 その後、シブノーラ女子選手3人のしぶといバッティング(三振はひとつもなし)や四球があって5点を取られたものの、山P−H2のヤング“どウィン”リレーで、相手をノーヒットに抑え、最終的なスコアは21対5。
 ちなみに、最終回にはもうひとりの女子選手もセンターを守るというアグレッシブさを見せ、ライトの選手もフライをポテンヒットにしてからは写メをやめ、守備の合間にグラブを空中にかかげてフライを捕るイメージトレーニング、さらにある筋からの情報によると、3人ともその後バッティングセンターに通っているらしい。
 まさか、新宿オスローバッティングセンター? ということは、汗をかいたあとは、あの界隈のホテ……いや、そういう話ではない。
 みんな、やる気らしいってことである。
 男子選手たちも、ファールはいい当たりだったし、肩もおそらくWINSのロートル選手たちのように壊れていないし、体力もあるだろう。
 用具はいつでも貸すので、また対戦しようぜ、シブノーラ!
 人数がそろわずに試合が組めなかったりするなら、四谷WINSに入団する手もあるぜ!(掛け持ち可)
 気持ちよく試合を終えた“どウィン”ナインは、その後浅草寺を訪れ優勝祈願(なんの?)、友近みたいなアジア女子の元気な呼び込みにつられて入った浅草六区の煮込み屋で、青空の下しこたま飲んだのは言うまでもない。
 「ああ、若い女の子のいるチームと試合ができて煮込みもうまくて、なんか幸せだな〜」byカトーさん。
 事務局Gはその頃四畳半のアパートで、たいして儲かりもしない内職に精を出していたという。

ペン=本紙エース


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